私は、アイドルグループのHey! Say! JUMPのいちファンだ。
同志であれば言うまでもないであろうが、昨今の伊野尾慧のブレイクには目を見張るばかりである。
私は、それをよく思わない(少数とは決して表現できないほどの数の)ファンが、内輪で(そう、内輪でさえ、JUMP担でさえ、当の伊野尾担でさえ)ヘイトしている現状が、本当に嫌になるのである。
私の担当は、伊野尾慧そして現センター山田涼介以外のJUMPメンバーのひとりだ(ここでは関係がないので伏せさせてもらう)。
私がHey! Say! JUMPを認識した頃の伊野尾慧は、いつも端の方でニヤニヤしている黒髪野郎であった。悪口ではない。彼のそういったところは、他のメンバーとは一味違うオーラを放っていて、これは表に出てきたらどう化けるのだろうと感じさせてきた。そういう、我は強そうには見えないが、奥でどっしり構えているダークフォース、といった“従来の”伊野尾慧は、それはそれでオンリーワンの魅力であった。
しかし現在、巷で大ブレイクを果たしている伊野尾慧は、“この”伊野尾慧ではないのだ。言わば“ニュー”伊野尾慧だ。その“ニュー”伊野尾慧は、“従来の”伊野尾慧とは打って変わり、ふわふわとした茶髪のマッシュルームヘアで、とろんとした中性的なルックスで皆に持て囃されている。“ニュー”伊野尾慧は、今までHey! Say! JUMPを知らなかったような人々をも虜にするような魅力を放っている。
ここで湧いてくるアンチが、「“ニュー”伊野尾慧を“従来の”伊野尾慧とリンクできない伊野尾担(あるいはJUMP担)」と「“ニュー”伊野尾慧を好きになった新規伊野尾担を許容できない伊野尾担(JUMP担)」だ。
彼ら(彼女ら?)の言い分は分かる。自担のキャラ変というのは、つまるところ今まで自分自身が信奉していたものを御神体本人に否定されるわけだから、反発が起こることが自然である。
しかしだ、彼の仕事を、彼のことが好きなオタクが批判してどうするんだ。彼は、何のために仕事をしているのか。私は彼ではないから、彼の気持ちや彼の考えていることは分からない。しかし、彼が自由に世界を飛び回るための翼を、私たちが、育てるどころかもぎ取ってどうするんだ。人気がなきゃ、お金(予算)がなきゃ、彼らはやりたいことなんてできない。彼らに自由と可能性を与えるのは、彼の人気と実力だ。それを実現するのは、オタクだ。オタクしかない。厳密にはオタク以外の茶の間層の追随も必要不可欠だが、オタクの応援なくしてそれはついてこない。
で、その彼らの自由と可能性の翼を私たちがもぎ取るのかと!ばかじゃないのかと。いつまでも「売れない私だけの伊野尾くん」を追い求めたい人は本人に彼が一生不自由しないだけの額の個人献金でもして勝手にヒモにでもするか、他所で「売れない私だけの誰それ」を新たに見つけてくれ。個人のエゴで他人の成功の種を奪わないでくれ。
さて次だが、Hey! Say! JUMPっていうのはセンターが固定されている。山田涼介。Hey! Say! JUMPというのは、彼を核として活動していると言っても過言ではない(その前は中島裕翔が〜という壮大な青春スペクタクルもあるがここでは割愛)。しかしその山田涼介センター制をも、伊野尾慧の破竹の勢いのブレイクはぶち壊そうとしている。
とはいえ、実質的には山田涼介があまりあからさまにセンターではない曲、他のメンバーも彼の次ほどにフューチャーされている曲もあった。AinoArikaは八乙女光、Come On A My Houseは知念侑李、Ready Goは有岡大貴、などだ。しかしそれはあくまでHey! Say! JUMPの主役・山田涼介があってのフューチャーメンバーだったのだ。それをも超え、「伊野尾慧が一番目立つ曲」というのが今後リリースされる可能性というのもあるのである。
ここで、「山田涼介絶対センター制信奉者」が伊野尾慧のブレイクを良しとしないのである。彼ら(彼女ら)は山田担とは限らない。仮に山田担に限ってもほぼ過半数と捉えられるというのに、他担でも、それをHey! Say! JUMPのあるべき姿として受け止めている人は多数かもしれない。しかし私はそれをどうしても了承できないのだ!それなら何のために山田涼介以外のメンバーは存在するのか。山田涼介以外のメンバーは、私の担当は、一生山田涼介の「愉快な仲間たち」としか演出してもらえないのか!だったらユニット曲でもやってろだとか、JUMPとしての活動以外で〜だとかでこの矛先を逸らさないでくれ。折角9人もメンバーがいるのだから、9色に輝いて欲しいのだ。このまま1色しか見れないまま彼らの若さが散ってゆくのが勿体無くて仕方がないんだ!!
やれるときにできることをやっておくべきだ。新規が何だ、今に過疎に喘ぐことになるというのに。浮世に永遠と安定なんてない。今この瞬間だけが事実だ。
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