ひと月ほど前のことである。
白いカバーの表紙中央にはピンク色のハートが描かれている、ひと目で女物とわかるものであった。ただ、背表紙の上のほうが少し汚れていたり、全体的に水で濡れたような雰囲気もあって使用感もある。めくってみると2015年の3月始まり。きちんと使えばそろそろ1年。使用感が出るのも当然のことかもしれない。
しかし、こんな手帳を使うのは誰だろうと不思議に思った。今どき小学生でもスマホを持つ時代である。スケジュールや電話番号、メアドの管理などそっちでやってしまうほうが楽だろう。わざわざ紙の手帳が必要なのはガラケー世代の年配者ではなかろうか。そう思いつつページをめくって4月の頭を見た時、4月2日の欄に書かれた「入学式 13:30~」という文字が目に入った。おそらくこの手帳の持ち主は大学生だ。確たる証拠はないが、1年生なのだろう。3月なかばに手帳を買って、来るべき大学生活に備えたと。
4月のスケジュールにはカタカナのサークル名がたくさん書かれている。そうだとしてもサークル名が多い。プリズミーやコーラル、ifは慶応の有名テニスサークルだし、ラネージュやアトム、FSSは早稲田のテニスサークル。TEIYUは東大のテニスサークルか。全てテニサーなのはテニスが好きなのか、他に選択肢がなかったのかはわからないが、いずれ慶応と早稲田と両方からサークル勧誘が来る大学はそうはない。初めて創設されたがゆえに校歌に校名の入っていないあの女子大学なのだろう。
新歓では美人でもそうでなくても新入生は基本的にはチヤホヤされるのが常だし、そうは言ってもテニスそのものにどれだけ力を注いでいるかもなかなかわからない。多くに顔を出しておくのが定石だ。ただ、テニスサークルには真面目なサークルとそうでないサークルがある。真面目なサークルと言ってもメンバーが真面目とは限らないのだが、真面目なサークルは他サークルとの協定を結んで、ある一定期間以降のサークル兼部を認めていない。これだけ出ていてもたぶん5月には籍を置くサークルが決まるのだろうな、と思った。どのみちGWは新歓合宿の季節だ。これに出たサークルが本命になるとも言える。
4月のスケジュールには履修登録の期間と正期間が矢印で書かれていた。それなりに真面目に勉強したいと思っていたんだろうな、すくなくともこの頃は。
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