2016-02-28

君はサブカルストリッパー「栗鳥巣」を知っているか


ストリップを見に行ったら筋少初音ミクかまってちゃんが流れて驚いた、という話。

かなり長文です。

ストリップ」というものを見たことがなかった。

なので、2016年1月某日、都内とある小屋へ行ってみた。

初めて触れた「ストリップ」という文化についても色々思うところはあるんだけれども、

ここでは自分の初のストリップで強烈な印象を残した「栗鳥巣」というストリッパーについて書きたい。

その前に、まず当日のショーの流れを説明する。

なお、これは自分が見に行った小屋での話なので、

しかすると場所によって違うところもあるかもしれない。

まぁ、だいたい同じようなもんだろう。

小屋10時に開場する。開演は10時半である

出演者は5人で、一人あたり30分の持ち時間がある。

30分のうち、前半15分は音楽に合わせて踊る。いわゆる「ストリップ」のイメージ通りのやつ。

後半15分は写真撮影時間となっており、お客さんの好きなポーズで、あるいはツーショットで1枚500円。

撮影希望者がいなくなったら最後に軽くもうひと踊りして終わり。

というのを5人が順番にやったら、全員登場のカーテンコール

これを1セットとして約3時間、日に4セットやって23時ごろに閉幕となる。

ちなみに客は一度入場料を払えば、入退出自由となる。

問題は「前半15分のダンス部分」である

ここについてはどうやら選曲振り付け、おそらく衣装ストリッパー自身裁量に委ねられているらしい。

まり各人の個性というか、センスが問われるわけで、実際、ストリッパーそれぞれにまったく異なるショーだった。

ある人は「いかにも日本的アイドル」を演じ、

またある人は「フラメンコステップを踏む妖艶な婦人」を演出し、

またある人は「K-POPアイドル」に終始した。

それで件の栗鳥巣はなにをしたかというと「サルに扮してのロープ芸」だった。

天井のフックにロープを引っかけてブラブラしたり、なんというかアクロバティックな見世物だった。

bgmはずっとサルに関する曲で、しょっぱな筋少の「おサル音頭」が流れた時は内心苦笑した。

申年だしね。この人はそういう芸風の人なのね…」くらいにしか、この時は思っていなかった。

さて、一人のストリッパーは日に4回ステージに立つと先に書いたが、

4回とも同じ内容ではなく、2種類のショーを交互にやるということには見ていて気付いた。

そしてショーの中には「あるコンセプト(アイドルとか)のもとひたすら踊る」パターンもあるが、

ストーリー仕立て」になっているパターンもあることも知った。

これは大変難しいことであると思う。

音楽衣装ダンスだけで物語表現してほしい。15分で。脱ぎも入れて」というのは、

なんの知識も手ほどきもない人に突然できるものではないだろう。

実際、その日のショーでも物語を取り入れたものはいくつかあったが、

話の流れで「服が脱げてゆく」のが自然であったためしはなく、

「そこでなんでおっぱじまっちゃうの」といった突っ込み所満載のものとなっていた。

そういった突っ込みが無粋で野暮なのはわかっている。

わかってはいるが、やっぱり思っちゃうである

そして栗鳥巣の2回目のショーが始まった。

衣装はさっきのサルではない。

イヤーマフからアンテナが伸びている。

まず流れた曲は初音ミクだった。

カクカクとした動きのダンスあいまって

そうか、彼女ロボットなんだな、と気付いた。

曲が終わり、彼女イヤーマフダイヤルを回し始めた。

ラジオチューニングするような音がして、

古風なロックが流れた瞬間、彼女は手を止めた。

彼女」は音楽に、「ロック」に出会った。

カクカクとしたダンスは少しずつ有機的になり、熱を帯びていった。

そしてラストに「ロックンロールは鳴り止まないっ」が大音量で流れはじめた。

彼女は服を脱ぎ捨て、ほぼ全裸になって自慰に耽るのだった。

ロボット音楽を知る。ロックを知る。人間的な熱を知る。

そのショーは、性行為で「人間らしさ=エロス」の発露を表現するという、

しっかりとした物語になっていた。

整合性があるというと大げさかもしれない。

話としてもベッタベタかもしれない。

ただ、下手すると「脱いどきゃいいんだろ」ともなりかねない世界において、

物語整合性を追求する」人がいることに驚いたし、

正直なところちょっと、いやかなり感動した。

この人の舞台は、また見に行きたいと思った。

余談だが、ご本人はアニメが好きだそうである

また選曲もだいぶ偏っていらっしゃる

ただそういったことよりも(そういった部分も含めてだが)

物語整合性なんて誰に気にしちゃいねぇ」のが主流であろう世界において、

自身のこだわりを強く反映した作品づくりの姿勢を感じたので、

サブカルストリッパー」とした。

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