2016-02-15

人類が『鉄雄』になる

ヒトをヒトたらしめているのはその “脳の大きさ” に他ならないが、その肥大化した脳は大きくなればなるほど「情報を求め、常にインプットされる情報が多くなるように行動する」というロジックを脳の基本的機能として組み込んでいった。

そのロジックに従い情報を吸収し続けた結果として脳が肥大化したのか、大きくなったからこそより情報を欲するようになったのかはニワトリタマゴと同種の話であろうが、いつのからかヒトはこの巨大な脳のために常に情報インプットし続けるよう行動するという習性が備わった。

そう考えると今、皆がひたすらにスマートホンに顔をうずめている光景も納得がいく。現時点で最も効率良く、場所時間に縛られずに情報を得られる “窓” がスマートホンだからだ。

コミュニケーション欲求も、とどのつまり自分社会的位置情報の取得、あるいは周囲の “ノード” との相関関係確認作業である他者との “共感” のやりとりにしても、「分かり合う、分かり合えるかどうか」というのはつまり情報通信プロトコルの動作確認的な意味合いが強い。相手と“会話”という名の情報通信が可能かどうか。他者との関係性は情報流入のためのインフラのものであり、インフラの出来によって得られる情報量に大きく差がでるのだ。

ここにおいて情報の中身や質は関係がない。常にインプットし続けることこそが目的であり、それこそが脳の “要求なのだ。脳への情報インプット効率を高めるためにヒトは “インターネット” を構築しそこを覗くための窓であるスマートホン” を作った。すべてはヒトの脳が欲したものだ。

スマートホンに顔をうずめ常に何かしらの情報を追っている方が、よりヒトの脳が求める要求に忠実なのであり、“より人間らしい” のだ。スマートホンなどに抵抗を感じ「おかしい」と声高に叫んでいるような人間は、古い習慣に囚われ脳の要求無視する「人間らしくない」生き物だ。ヒトであるならば素直に脳の要求に従い、貪欲に情報を貪り続けなければならない。

ヒトはもうスマートホンを捨てられない。情報によって強化された脳がより強く情報を求め、もうそれを抑制することはできない。まるでクスリによって手に入れたチカラに依存し飲み込まれていった鉄雄のように、ヒトも制御できない情報流入で溺れ壊れていく。その過程の真っ只中に我々はいる。mn3

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