そして自分自身も学生時代にその会社でスキーツアーに行っていた。
別にスキーをしたかったわけじゃなく、なんとなく入っていたサークルのメンバーでスキーしたり温泉入ったりしたいねというノリでとにかく安くしたい一心でツアーを探した。
とにかく安くすることに熱心だったのがあのツアー会社で、提案された値段が一番安かったので利用した。
バスはおんぼろな四列シートでほとんど寝れず、フラフラになりながらしょぼいペンションに到着し、しょぼい朝飯と夕飯を食べて帰ってきた。
旅行自体の思い出は普通だったが、とにかくバスが狭くて強行軍だったので疲れて、帰宅したその日はずーっと寝ていたのを覚えている。
時間はあるけどお金はないから結局こういう安いツアーに手を出す。
お金がないなら旅行なんて行かなければいいじゃない、と思うのだけれど、暇を持て余した有名私立大の学生なんておとなしくしてられない。
そしてなぜか学生の間では「社会人になったら遊べない」という強迫観念みたいなものがある。
実際はまともな会社に就職していれば、大人になってもスキーにはいけるし、大人になってからなら格安ツアーなんか使わなくてももっと安全で、食事も宿もしっかりしたところで旅行に行ける。
これはスキーツアーに限った話じゃなく、旅行全般に言えることだ。