2016-01-07

ニコニコキングオブコメディが終了した日に書いたポエミーな雑文

今思えば、青年は深く深く傷ついていたんだろう。

そんなふうには見えなかった。

彼が発する言葉不思議と優しくて、あたたかくて。

彼の中にもともとある感受性は、たくさんの人を笑わせた。幸せにした。

僕も、彼に救われていた。

生きる限り傷は癒えるように人間は出来ている。

必要時間は人それぞれだ。

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僕のことを少し、書く。大した話ではない。

小学校の時に犬を飼っていた。と言っても迷い犬に餌をあげていただけだ。

親に飼いたいと頼んだが許されなかった。そのうち保健所に連れて行かれた。

保健所を呼んだ家に盛大に落書きをして、怒られた。

寝る前に頭に浮かぶ。僕の犬は保健所で殺された。想像したラストシーンはやがて映像となり、頭に焼きついた。この映像に何年も苦しんだ。

数年後、家に子犬がやってきた。

僕には許されなかったのに、なぜ?

大人になってだいぶ経ってから、僕はようやく家を出た。正解だった。

家を出ることで整理できた感情がたくさんあった。

今は全然平気。3年に一度ふと思い出し少し泣く程度。

青年が昔負った傷に比べたら、本当に本当に、ちっぽけな傷だと思う。

なのに「平気だ」と思うまでに何年もかかった。

から僕は青年健全さや強さを心から尊敬していた。

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青年が重ねた罪は、心を保つためだったんじゃないのか、と誰かが言った。真相はわからない。

「ここから血が流れてる」「痛いんだ」「助けて」

言ったら笑われそうだと、思いこんでいたのかもしれない。

僕がそうだったから、そう思ってしまう。

男の子がそんな事で泣くんじゃない」「長男なんだから我慢しなさい」「大人がそんな事で喚くんじゃない」

って、決まり文句で人は言うからね。本当は、泣いてもいいんだよ。

青年は、過去の傷を、本能自己治癒力だけで治そうともがき続けていたんじゃないのか。

青年が家を飛び出さなかったのは、この傷を克服してやるという決意だったんじゃないか

あくまで、憶測だけれども。

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青年の心を、救っていた人は沢山いた、と思う。

一番彼の事を救っていたのは、彼の横に居た、笑顔可愛い年下の青年だろう。

共鳴した2人は「幸せにしてください」と、冗談めかして呟いた。

青年たちの冗談は評判になった。

僕たちは、冗談を言う青年たちが大好きだった。

だって青年が抱えていた闇の深さに慄きながら、嫌いにはなれずにいるのだ。

今思えば、青年は「自分なんかが愛されてはいけない」という内容の冗談をよく言っていた。

でもそんな言葉すらいつも面白くて僕らは笑った。

境遇の悲しみも卑屈さも、笑いに変えてしま青年の強さに僕は力を貰った。

今もう一度聞くと、訳が分からない。彼の悲鳴に聞こえる部分もあった。

深い闇に1本のタイトロープ、ねぇ何故そんな場所に、

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どうか彼が、1日も早く、彼を苦しめる心の闇から抜け出せる日がやってきますように。

そしてどうかどうか青年を愛した全ての人が、青年を救えなかったと自分を責めたりしませんように。

きっと、青年は救われていた。

僕は笑顔可愛い年下の青年の事が大好きなんだ。

あの日颯爽と、僕たちの心に寄り添ったキングオブコメディ今野は本当にかっこよかった。

キングオブコメディのことが好きだった僕たちにしかからない華麗な方法だった。)

ますます、大好きになった。きっとこれからも大好きなままだ。

そして僕は、笑顔の下手な年上の青年の事が、気になって仕方なくて胸を痛めている。

あなたの本当の幸せを、平穏を、心から祈る。そしてまた何処かで、僕たちの前じゃなくて良い、冗談を言って笑ってくれますように。

笑顔が下手だって言ったけど、訂正する。作り笑いが下手なだけで、自然と出た笑顔可愛いってみんな知ってるんだぜ。)


生きる限りいつか傷は癒えると、僕は思っている。

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