2015-10-04

ラムネ菓子

「ねぇ、これってなんだと思う?」

そんな彼女言葉に振り返ると、突然キスをされた。

だが、甘い。

比喩ではなく本当に甘い。

彼女が舌を押し込んでくる。

それと同時に何かを口移された。

その何かは理解する間もなく溶けて消えた。

「今の、なんだったの?」

「私の気持ち

意味がよく理解できない。

「サヨナラ」

そう言って彼女は去って行った。

今になって思い出す。

口移された甘い何か、あれはラムネ菓子だったのではないか?

瞬く間に溶けてしまって、後には何も残らない。

それを自分気持ちに例えた彼女の胸中。

今でも理解はできない。

からこそ、甘い何かはラムネ菓子であり続けるのだろう。

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