2015-09-28

[]パンプキンシザース感想

仕事が一段落したので、久しぶりにアニメを一気見した。

 軍人組織モノのアニメは本当に面白く見れるなあ。最近多い、エロゲっぽいのっぺりとした画で魔力バトルする学園モノはどうも受け付けない感じがする。

 このアニメは、もう10年も前の作品何だなと思うと時代の移り変わりは本当に早いなと関心。

 原作は読んだことがないが、まだWikipediaを見たらまだ連載中とのこと。あのクサイ台詞の数々は原作者が考えたものなんだろうか、それともアニメ演出なんだろうか。どちらにしても、リアルタイムで見たら相当寒かったんじゃないかな。でも、自分が日々上司理不尽を働かれ、汚いモノを見てきたからこそ、今見るとアホみたいにまっすぐなセリフ水戸黄門的なカタルシスを与えるんだろうな。今の自分にはアニメリアリズムなんて求めてなくて、現実には振りかざすことができない正論・暴論を惜しげもなく叩きつけるアリスちゃんがスゲー好きなんだよね。

 超安定した公務員でありながら、その中の閑職に飛ばされた人々。夢やぶれてこの職場に流れ着いた人や、夢をみて職場にやってきた人たちが交差する。それぞれに影響しあって互いに新しいものが見えていく。この作品の魅力はそういう「それぞれ人生の交差」っていう点に有るんじゃないかと思う。そうすると、このアニメではデッカイ話もないし、かと言って単調で毒にも薬にもならないほどの日常系でもない。程よい緊張感で特殊フィクション軍人日常を描く佳作と言えるんじゃないかな。

 個人的には、変に謎兵器とかの伏線を張らずにギャグ勧善懲悪劇に突き抜けていれば忘れられない作品になれたんじゃないかと思うと残念。

 やっぱり一番魅力的なのは伊藤静が演じるアリスちゃんだよなあ。まず、伊藤静の声を聞いているとアドレナリンがドバドバ出ていると言う感じがする。これだけで本当に最高。それでもって、どこまでもバカで真直ぐな言動が「キャラに深みがない」といえばそれまでだが、プロレスプロレスと分かっていて楽しむような余裕が視聴者に有れば、楽しめるのではないか。アリスちゃんだけ軍服の色が違うのは貴族からなんだろうか? こういうの見るとこち亀中川を思い出すよなあ。

 男性キャラは丸眼鏡の隊員に、ちょっと感情移入しちゃったんだよね。エリートコースだったはずなのに、汚職を許せなかったという理由で閑職に飛ばされてしまうと言うのは、やっぱりどこまでも突き抜けた「バカ正直さ」の権化で応援したくなってしまうんだよね。もう一人の金髪の隊員は無責任軍人って感じで対象を表していていいんだよな。

 途中に外国お姫様がお忍びでやって来る回が有ったけど、一話完結できちんとまとまっていたし、お姫様も可愛かったし、見ていて一番印象に残ったな。でも、あのキャラは可愛すぎてむしろ浮いていたとう感じがしたので、これってもしかしてアニオリ回だったのかな。

 2クールもやっておいて全体を通して何が言いたかったの? というのがマクロ的な感想だけど、ミクロ的にはどこまでも「兵隊お仕事」を遂行しようとする波乱万丈を楽しめば、ミクロ的には面白いと言う感じなんだよね。ただ、謎兵器とか秘密結社とか散々伏線を張って置きながら最後では一切回収を放棄して、「我々の戦いはこれからだ!」という感じの大団円を無理やり入れられた感じだよな。まあ、日常系アニメには全体を通して言いたいことなんて端っからナイわけで、謎の解決を視聴者に期待させた罪も有るんだけど、こういう終わりかたも有りなのかなと思っています原作も完結してないわけですし。

 最後の数話でアリスちゃんが突然「姫騎士」って感じになってて笑った。でも剣術のシーンはちょっとテンションが上がっちゃうんだ。女の子が剣を振り回して豪快に戦うのは本当に見ていて大好きな演出なんだよねえ。

 軍の閑職、戦災復興機関、やる気みなぎる貴族隊長という共通項ではチャイカにこんなキャラが出ていたよな。何か原案となるような史実があるのか、作家同士でなんとなく影響しあっているのか分からないけと、こういうのほんとうに好きなんだよね。

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