2015-09-24

フォルクスワーゲンの件に寄せて思ったこと

自動車とかよくわからんけど、例えばミニ四駆をつくるじゃないですか。

大会ときのコースがわかってるとするじゃないですか。

実際、そのコースを走らせて、一番タイムが縮まるようにチューニングすると思うんですよ。

というか俺ならそうする。

とりあえずよかれと思うセッティングで走らせて、パーツを変えて走らせて、それを繰り返して、一番いいタイムのものを作る。

と思うんです。

ミニ四駆大会ってのは、ワンチャンスだから市販車やらかしフォルクスワーゲンのあれとは一緒に出来ないけどね、程度の差はあれ、試験を想定したチューニングにはなると思うんだよね。

今のエンジンって、ガソリン空気をこういう比で混ぜてバン!を繰り返すっていう単純な構造じゃなくてさ、こういう場合はこのくらいの比率、こういうタイミング、ああい場合はこの比率で、ああいタイミングっていうふうに、ケースわけして電子制御最適化を図ってるわけで、「こういう」「ああいう」を設定する時に、なにか基準があるならそれに寄せてそこに最適化ちゃうのはわからんでもない。

あ、ガソリンじゃなくて軽油か。まあいいや。

これがね、安全性能の場合だと、かなり設計上のマージンはとるだろうけどね。

どんなに最悪の状態でも、このくらいの性能は出せるようにと設計すると思う。

デブが乗ってても、エアバッグ機能しなかったら困る。

でも、極端な話、ローギアで60km/hまでぶん回したとき燃費性能やら環境性能なんてみないと思うんだな。

極端なたとえだよ。

で、程度の問題となると、どこからが悪意で、どこからが悪意がなかったかっていう問題になって、

燃費性能とかと違って、見えないから難しいと思うんだけど。

燃費だったらさ、カタログ燃費と実燃費との違いはすぐバレるもんで

「10・15モードとやらでそうだっただけで、実際のところはこんなもんか」

ってわかるけど、環境性能ちょっとやそっとじゃわからないってのが詐欺と言われても仕方ないなと。

話変わって、俺の会社の新商品の開発の話なんだけど。

もちろん、なんの商品とか、そういうのは言えないんだけど、やたらね、国や団体のガイドラインに適合することの重きを置いてるわけなんですよ。

製造部の、工場で実際に生産ラインにいる俺とするとね、なんか違うなと思うわけ。

「これをクリアすると市販はままならん!」っていう基準ガイドラインってのは、それをクリアするのは市販するための条件の最低限っていうラインで、そんなものをゴールにした開発ってのはものづくり現場としちゃどうかと思うんです。

他の試験法や、もっと厳しい規格やらで試験したほうがって常々言ってるんですけどね、

「それはオーソライズされた試験法じゃないし、判定基準オーソライズされていないから意味が無い」

って具合でね。

タマがいい人達の考えってわからんですね。

「これをクリアすると市販はままならん!」って話も怖いですけど、フォルクスワーゲンみたいに「これをクリアすると補助金あげるよ!ガンバレ!」

ってのも怖いなと。

開発に限ったところだけじゃなくて、いろいろあるじゃないですか。

高齢者雇用すると補助金あげますとか、障害者雇用すると補助金あげますとか、環境配慮した企業経営をすると補助金あげますとか、地元高卒をとるとなんとやらとか。

どこの企業をみても、らくらくクリアしてるようなところはなくて、なんとかギリギリクリア補助金はゲットっていうことやってると思うんですよ。

あいうのもね、なにかの機会に

「てめー、ギリギリ詐欺まがいでの要件クリア出来てねぇじゃねぇか!今までの補助金金利つけて制裁金じゃボケ!」

ってなる恐れもあるんじゃないかと。

そういうのの、美味しさと危険を図りにかけるセンス

「ははーん、この補助金は貰っちまうと危ねぇ。俺の直感がそう言ってる」

ってのが経営者の才覚なんだろうなと。

経営者というのは、決断するのが仕事っていうけどさ、社長が一から十まで技術的なことや制度的なものまで理解出来てるかっていえばかなり難しいわけ。

たとえ解っていても、社長まで来るときには、もうね、承認してもらう気まんまんで資料もってくるわけだしね。

ペテンにかけて承認もらって売りましょう!補助金もらえるから粗利そのまま安く販売できて、たくさん売れるから承認よろしく!」

なんて資料もってこないわな。

「公定法で試験して、規格をクリアしました!」

っていう資料に決まってるわな。

どうみても安全そうに見える道で地雷を踏まないようにするスキル、だれもが地雷原かと思っててビビって原っぱを「実は地雷埋まってないんじゃね?安全なんじゃね?」とリスクをとってゴーするリスク

そういうことが出来るのが経営者の才覚。

なんやよくわからん爺さんが長々とトップに座ってて、なぜか堅調な会社ってあるじゃん

そういうところのトップジジイって、もう妖怪に近い人外のものなんじゃないかと思う。

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