2015-09-03

サノケン騒動について、第五の権力について

統括するにはまだ早いと思うのだけど覚書。

業界関係者でも、デザイナーでもないです。念のため)



【1】一連の騒動について

【2】デザイン的に見てどう思うか

【3】佐野氏に同情できるか



【1】一連の騒動について

サノケンエンブレム取り下げまでの一連の事件を振り返ってグーグル会長が書いたエリック・シュミット『第五の権力』を思い出したので書いておく。

まず第五の権力とは何か。

行政司法立法の3つの権力に対して今まで報道第四の権力となぞらえていた。それを本書でエリックは第五の権力のことを、全世界の人がオンラインでつながったことで手にする力と言っていて、つまりインターネットをもった我々のことで、有体にいえば『炎上』のことである

で、サノケン炎上だけど、これまでの炎上と明確に一つ違う点があることを留意しておきたいと思う。

それは今回の炎上海外に飛び火したことだ。

海外デザイナーフォトグラファーらとニュースを通じてオンライン上で繋がり、情報が次々と提供され、外堀を着々と埋められてしまって国はもう言い逃れできなくなってしまった。

恥の文化がある日本人にとって、海外リアクションはすごく耳が痛かっただろうなと思う。

サノケン炎上で我々は世界と繋がったのである


で第五の権力、つまり炎上』についてまだまだ日本過小評価されているような気がする。

佐々木俊尚氏に限っては、いまだにネット民の自制が必要みたいなナイーブな話をしているし、茂木健一郎氏は、権威者層に対する下位層による妬み、対立みたいな話になっている。

いやいや、デザイナー広告業界からタレコミが多かったと思うけどな。政府関係者の中にもサノケンエンブレムが気に入らなかった人は大勢いたんじゃないかなと思うし。

ていうか、妬みの力だけで国は動かないし、動かせるわけがない。もし妬みで国を変えられるのなら、Gakut何人必要なんだよって話だよね。

トートバックの事案、過去デザインの掘り出し、原案意匠の発表と、無視できない事案が重なってエンブレムが取り下げになった。

それに寄与したのが業界関係者言葉と、海外の反応である

しかしたらデザイン業界ではコピペ(盗用)・改変(剽窃)は、慣例的に、普通に行われていたのかもしれない。

でも、もうそれは許されることではなくなった。

どうでもいいけど、茂木氏がクオリア死語)的にデザインが受け付けないと語った時にはこれはギャグなのかなと思った。

(あと茂木健一郎佐野研二郎って名前ちょっと似てるよね)




【2】デザイン的に見て

素人目に佐野エンブレムデザイン的に悪いところを個人的に挙げておく。

1:デザインが堅苦しい。

他のオリンピックエンブレムと比べて、

スポーツの躍動感がない。

祭典のイメージがない等


2:パラリンピックの白黒反転ロゴが、『T』に見えず、『U』に見えること

佐野的にはパラリンピックは『=』(イコール平等)をイメージしたらしいがパラリンピック関係者は、それを

聞いてどう思っただろうね?

まだ『U』でUNITE(結合)とした方が良かったのではないか。せっかく26文字作ったんだからさ。


アルファベットイニシャルが、日本人にはそもそも受け付けないものであること。

なんでTOKYOのTなんだろうね? 

日本には「ひらがな」や「カタカナ」や「漢字」があるじゃん

アルファベット26文字の中で判別できたのいくつあった?

たぶんあれは原案を元に作成されたもので、意匠変更を経て発表できなくなったものなんだろうなと推測。

素人目には、ここまで悪いところを挙げられる。


あとプロ素人境界職務に対して『批判的』になれるかである

批判的になれないのは『商売人』であって、『プロフェッショナル』ではない。





【3】佐野氏に同情できるか

はっきり言って、どうでもいい。

同情は彼の仲間が(同情)するべきことで、無関係の我々がすることではない、よね?

同業者に求めることは、再発防止に努めることだけである

著作権を軽視してトレパクすることは、他人の住所を勝手ネット書き込みすることに等しい犯罪であることを認識してほしい。

とりあえずインターネットウィルスによる情報漏えいと同クラス対策を取らないと自社、取引先の企業価値を大きく毀損する結果になるとだけ忠告しておく。

TPPによって著作権侵害の非親告による摘発が可能になればさらにこの流れは加速するはずだ。

しろ、このことによってオリジナルクリエイター権利が守られることを望みたい。

そういえばトートバックの件でで剽窃したと思われる猫のデザインはいつになったら取り下げてくれるのだろうと思っている。

佐野デザイン名前を付けている以上、名前に大きく責任を持つべきだと思う。

盗用されて被害を受けているデザイナーフォトグラファークリエイターが実際にいることを忘れちゃいけないと思う。

クリエイトすることによって飯を食っている人たちであることを忘れちゃいけない。

佐野氏より、五輪提携企業より先に、こちらに対して、まずどう補償していくのかが今後のこのサノケン事件の焦点になるのかなと思っている。

才能があるのに無名で売れないクリエイターってたくさんいるんだからさ、これを機に還元される流れになってほしいな。

以上です。

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