エロゲが当時最先端だったかどうかは個人的には判断つきませんが、テキストが文学的とかそういう意味で目新しいことをやってる作品には出会った記憶はないかなぁ。
その媒体でしかできない表現をするという意味においては、ゲーム特有の「ゲームオーバーになれば繰り返しプレイする」という特性から、映画や小説ではやりにくいであろう「繰り返しプレイすることで、プレイヤーの視点で積み上がる記憶」というのを利用した作品は数多くあるので、そういうことを捉えて最先端と言っている方がいるのではないかと予想してみる(とくに10年前らへんはそういうのが流行ったように思う)
この手法の開祖的なものはおそらく「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(1996)」らへんになってくるのかな(1997-2007位が守備範囲なので間違ってるかも)
葉鍵や型月が槍玉に上がりそうな話題と時代だけど、実際のところ売り上げと最先端だったかどうかとは関係ないと思うので。
Leafに関しては「痕(1996)」なんかで上記のゲーム特有のプレイヤー視点による演出をやってるので、そういう意味では新しかったのだけれど(でもそれってそれ以前に弟切草(1992)があるしなぁ)
その他にエロゲ特有の目新しい手法というと、あと記憶にあるのはLiarsoftのForest(2006)くらいのものかなぁ。
これはエロゲ特有のフォーマットである下部ウィンドウに表示される文章と、それに合わせて実際に再生される音声を異なるものにする事で、ある人物が実際にしゃべっている事と内心考えている事を同時に表現するというような手法だったり、ウィンドウ幅を意識して単語の途中で改行がかからないようにするといった手法だったり、エロゲのフォーマットを最大限使った表現を試みたものかと。
エロゲ(ビジュアルノベル)の枠というのは特殊なフォーマットで、映像と文章と音が存在していて、しかしながら字幕映画とも小説とも異なる(字幕映画にはない地の文があり、小説にない絵と音がある)という事を最大限に活かそうという、表現手法の発明への挑戦みたいな事じゃないかと。(あまり文章上手くないので僕の説明だといまいち伝わらないかも/だれかこの辺綺麗に説明できる人おらんか・・・)
一部では評価されたものの、それがメインストリームであったわけでもないし、また、エロゲ支持層がこのへんの作品を取り上げて「エロゲはオタクの最先端だった!」と言ってるわけでも無いと思うので、本論にはそぐわない話になってしまったかも。
テキストでエクストリーム試みたというよりは、エロゲ界隈のクリエイターの先鋭はエロゲのフォーマット自体を研究していたように思う。
「繰り返しプレイすることで、プレイヤーの視点で積み上がる記憶」 「恋愛(シミュレーション)ゲーム」では、たとえばElf「同級生」が、「同じ夏休みの1か月」を何度もプレイしな...