ようやく俺はミッションを達成した。
しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。とはいえ、それを順を追って話すには、俺や無漏系男子の皆さんの持っている時間は少なすぎる。なので簡潔に記述していく。
重要なのは筋肉の使い方だった。それが分かるまで、あらゆる体勢で自慰行為を試してみて時間を大いに無駄にしてしまった。
もちろん、過激なセルフ手こき禁止による感度アップ、受動的エロ鑑賞封印による性感神経の開通も意味があったのだが、より重要なのは筋肉に違いなかった。
ケツと太もも上部の裏表の筋肉。そこを収縮させたまま秒速2回以上でピストニングすると、俺の精嚢が反応してくるのである。そのため、股を開ききった正常位や、足を正座にしてケツが張ってない状態では、ちっとも気持ちよくなれなかったのである。これについて、筋肉の緊張にもっとも理想的なフォームは足ピンである、と俺は結論づけた。しかし、それでは腰が触れない。そのため、現実とのある程度のすり合わせが必要となるのだ。(それにしても、足ピン依存症だった人間は、決してそこから離れることはできない、ということなのだろうか)
ある日、彼女と正常位でドッキングした俺は、両足を徐々に後ろにずらしていって、腕立て伏せのひざ立ちのような体勢に変形した。動くぞ。俺が言った。わかった。俺のケツと太もも上部の筋肉が答えた。そして俺は射精したのである。精子はゴム先から3cm分くらい下に溜まるほど大量であったし、ラストピストニングをしていたチン先はしびれるほど気持ちよかった。
さて俺の話はこれで終わりだ。
最後になるが、例の体勢は、一番奥に当たる、と彼女が言っていた。気持ちいいらしい。これに生物学的な何らかの意図があるのか、俺には分からない。
28歳、元童貞、2015年、夏。 俺は膣内射精障害、いわゆる無漏症だった。それは、くしくも童貞を卒業した瞬間に約束されたものだったと思う。ヌルッ、あれ? あんまし気持ちいく...
ようやく俺はミッションを達成した。 しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。とはいえ、それを順を追って話すには、俺や無漏系男子の皆さんの持っている時間は少なすぎ...