私には永遠のライバル、A子がいる。
高校の頃は、ずっと仲良しだった。どの授業も同じクラス。二人ともバスケ部に入って、部活も一緒。
でも何もかも、敵わなかった。
部活も私は毎回出席して死ぬ気で練習して、A子はサボってばかり。
専攻は違ったけど、同じ授業も多かった。
そのときも同じ。
勉強は、A子は一夜漬け、私はテスト2週間前から猛勉強。でもA子の方が成績が高かった。
センター試験も、塾に通い猛勉強した私よりも、一夜漬けのA子の方が上だった。
部活も、同じところに入って、二人ともめげた。
私は途中で退部したけど、A子は忙しいから休部、という形でフェードアウトして、在籍だけはしていることになっていた。
私は世間では「辞めた負け犬」だし、部活での人間関係も全部失った。引退した先輩たちからもすごく嫌われた。
だけどA子は部活も一応4年間続けて、仲間も「休部だから、仲間だよね」ということになっている。引退した先輩たちは、A子はまだ部活にいると信じ込んでいる。
アルバイトも、当時は某レストランでアルバイトすることが人気だった。
人気すぎて全員落ちていたのに、A子だけ受かった。もちろん私も落ちた。
私は塾のアルバイトをしていた。その後縁があり、新規塾の立ち上げにも関わり、インターンになった。
学外のことも、A子は有名な学生団体に入り、そこでリーダーを務めるまでになった。
そこでいろんな人と知り合ったのだろう、知り合いは超有名企業の人とか、優秀な方々ばかり。
私は学外では小さなバスケサークルに入っていた。もちろん中ではキャプテンを務めたりしていたが、小さなサークルなので特に何も素晴らしい交友関係などなく、良い友達が数名いるだけだ。
その後、二人とも留学に行った。
初めてここで違う道に進んだ。
ここで、やっと勝ったと思った。
でもそんなことなくて、
A子も私も同じ奨学金に応募して、A子は受賞した。私は落ちた。
死に物狂いで勉強した。
部活にも入らなかったが、世界的に有名な学生団体にちょっとだけ所属し、某企業でインターンをしていたようだ。
帰国して、またA子と会った。
私はやっと勝てた、と思った。
留学先も、勉強量も、部活も、何もかも、自分の方が上に思えた。
そして就活が始まった。
私は15社出して、書類落ち、一次面接落ち、最終落ちも含め、全落ちした。
A子は2社だけ出した。偶然にも、私の第一志望A社と第二志望B社だった。
私は絶対A社に行きたくて、いろんな人に手伝ってもらって、とにかく必死にやった。
A子は、A社に内定が決まった。
私は、彼女には一生勝てないのかもしれない。
きっとキャリアも彼女の方が上で、結婚相手も彼女の方が上で、子供も彼女の方が優秀になるのだろう。
きっとそうなのだろう。
コメント、ありがとうございます。本当に励まされました。
人と比べるな!と言いますが、私の夢の土俵に毎回A子の姿が入ってくるのです。
唯一いなかったのが、留学先だったのです。
もしかしたらA子も影で努力家なのかもしれませんね。そればかりは、私にはわかりません。
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