2015-06-25

「弟の夫」(田亀源五郎)をすすめたら「ホモなの?」って聞かれた

当方リアル書店勤め。といってもコミック販売メインだから、本当の書店員の人には鼻で笑われる存在なんだけど(偏見)。

それに、はてなー的には、「電子書籍ネット通販こそ正義。売上ランキングを上から並べるだけで何の面白みもないリアル書店滅ぶべし、慈悲はない」って感じなんだろうから(偏見)もうブラウザそっ閉じ案件かとも思うんだが、備忘録的に書く。別に面白い結論も新たな知識も発想もないよ。

先日他の店に手伝いに行く用事があってさ、そこの店員氏にお薦めコミック聞かれて、

「弟の夫」(田亀源五郎/双葉社)が発売したばっかだし面白かったからそれ薦めたのね。

そしたら「え?何?××さんホモなの?(半笑い)」っていうからかい気味のリアクションを受けたわけ。

自分性的志向同性愛じゃないので、そこは普通に否定して、「弟の夫」が家族のあり方を考える漫画として普遍的面白さがあるし(学術書じゃなくてエンターテインメントなんだからここは大事だ)、かつゲイ問題提起として示唆に富んだ漫画なので、お薦めだよって話をしてその話は終わったんだけど。

から考えると、これって「お前はホモという異常者ではないよな?」っていういささか差別的ニュアンスをはらんだ踏み絵質問だったんだなーと気付いたんだよね(当人はそこまで考えて言ったわけじゃないだろうけど)。

そう言ってきた人は、少なくとも自分よりは頭の切れる人で、間違っても普段から差別意識をばら撒くようなタイプの人ではないし、接客業やってて、自分の言動が意図しない意味に受け取られてクレームになった経験がない人なんていないんだから、その人もそこは慎重になる習性がついてる。

そういう人でも社会的常識癒着した無自覚偏見からは逃れられないんだ、と改めて思ったのね。

そもそも、自分もその質問されて動揺がなかったかといえば嘘になるから偏見から自由はいいがたいなって思ったりもして。

で、「弟の夫」ってこういう事例を踏まえて書かれているんだと、改めて心の隅っこの方に重石を置かれた気分になったわけ。

西原理恵子漫画でも、死んだパートナーゲイだと親戚にカミングアウトしていなかったため、パートナーじゃなくて友人としてその死を見送らざるを得なかったゲイの方の話が描いてあったけど、

そういう人が感じている社会圧力って大きさは全然違えど多分自分の心のに置かれた重石と多分同質のものなんだろうね。

重石を置く側の人たちも、全く悪気があるわけじゃなくて、だからこそ自覚改善も難しい。

そんな人の何人かにでも「弟の夫」というよくできた素晴らしい漫画が届くといいな

(何度でも言うが、そもそも漫画として面白いのだ)、と心底思った。

から、「弟の夫」を少しでも売れるよう微力を尽くすよ。しつこいようだが漫画としても面白いしね!

もちろんそれ以外の漫画も売らないと店がが回らないし、

それ以外の漫画を求めるお客様にちゃんと面白いと思ってもらえる漫画を買ってもらうのも

自分仕事からそれ以外の漫画も沢山売りますけど。

みんな、「弟の夫」読んでくれよな!

ゲイヘテロもどんな性的志向他人迷惑かけない範囲普通に暮らせる社会がいいよなあ。

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