2015-02-10

東日本大震災原子力災害被災者支援協会の詐欺事件がよくわからない

増田は、あるNPO法人経営者の一人です。以前、こんな記事を書きました。

http://anond.hatelabo.jp/20140804194849

それから続報。予想通り、久間章生防衛相逮捕にはつながっていませんね。

http://jp.wsj.com/articles/JJ11828903942920604435020228047770882530937?tesla=y&tesla=y

ただ、ここまできて、よくわからないと書いたのは、本当にNPO法人主体による詐欺なのか、という点です。なぜそう思うのか、論拠は2つ。

  1. 詐欺収入事業報告書に反映されていない。
  2. 東京都による指導監督が行われていない。

1.から順にいきます

WSJ記事を信用する限り、実際に詐欺が行われた時期は、

逮捕容疑は2012年4月上旬、「(トーワテックが)福島県楢葉町シイタケ生産販売を営んでいたが、原発事故の影響で利益を逸失した」などとする虚偽の賠償金請求書を東電に提出。同年5月上旬にトーワテック銀行口座に約4100万円を入金させ、だまし取った疑い。 

とのこと。このタイミングであれば、NPO法人2012年度の事業報告書に、少なくともそれらの収入掲載されるはずです。しかし、事業報告書には一切掲載されていません。

http://www.npo.metro.tokyo.jp/

こちらのページから団体名で検索していただき、該当団体事業報告書ダウンロードすると、収入支出ともに完全にゼロ。全く動いていない団体であることがわかります。どうでもいいけど、東京都はこのフレームバリバリ右クリック禁止サイトをさっさとリニューアルするべきだと思います

2.については、このような犯罪行為が起こしてしまったNPO法人については、所轄庁(この場合東京都)が指導監督を行います。どういうNPO法人指導監督をしたのかもすべてホームページで公開されます認証取消の場合も公開されます

http://www.npo.metro.tokyo.jp/

アドレスは先ほどと一緒。指導監督グローバルナビの右側のほうにありますしかし、こちらにも当団体掲載されていません。つまり指導監督に値しなかったのか、東京都仕事をしていないのか。どちらにせよ、あれだけニュースになったにも関わらず、当団体指導監督も受けていなければ、認証取消にもなっていないということですね。

この2点を総合すると、たまたま同じNPO法人に属していた正会員や理事詐欺を行ったけれども、実際にNPO法人は動いていないのではないかとも思えてきますNPO法人名前を語ったけども、実際にお金の出入りがあったのは、それぞれの会社ではないか。とすると、それぞれのメディアにおける「元NPO社員」という書き方は不適切ではないでしょうか。

今までもまっとうに経営しているNPO法人の方々は、メディアなどで「NPO職員が○○という不正」などと書かれてしまうことに憤りを覚えてきました。そういう書き方をされると、すべてのNPO不正を行っているように見えてしまます

もちろん不正犯罪を行うNPOがあることを承知のうえですし、批判されることも当たり前でしょう。ただ、今回の件は、なんというか、ちょっとそのあたりのメディア対応に雑な印象を受けるなとも感じました。

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