2014-12-19

愛人宅にて。

体が鉛のように重い。

今この文章を、愛人さんのベッドで書いている。

彼女が出勤した後の部屋に、僕は残っている。

テレビでは根本君が明るい声で今日の天気を伝えている。

僕は窓の外の洗濯物をぼーっと見ている。

昨日は彼女を同伴してパーティーに行った。

青山の裏道の一軒家を改装したレストランで行われたパーティーには、30人程の男女が集まっていた。

ホストが暖かく僕達を迎え入れてくれる。

彼女はとても明るく、気の利く女だ。

初対面の僕の取引先に対してもとても自然に接することができる。

決して前に出過ぎることはなく、相手を讃え、酒の世話をし、パーティーの華をこなす。

たくさんの男が彼女口説こうと言い寄ってくる。

それを彼女は柔らかい笑顔で躱す。

時折僕に目配せをしながら、付かず離れずの距離を保つ。

ちゃんと自分役割理解しているんだ。

そんな利発な彼女愛人にできて僕はとても幸せだ。

パーティーではお互いの関係を明らかにしないのがルールだ。

女同伴できている奴はほとんどが愛人を連れてきているはずだが、それを口に出すのは格好が悪い。

関係をお互いに探りあいながら楽しむのが大人ってもんだ。

自分の女がどれだけ口説かれるかが男の価値だ。

昨日のパーティーでは、明らかに彼女が一番だった。

帰ってきて、彼女をメチャメチャに抱いた。

たくさんの男に視姦されて、僕はとても嫉妬していたんだ。

その思いを一気に晴らすべく、シャワーも浴びずに彼女をメチャメチャにしたんだ。

ひどい言葉を浴びせ、彼女を泣かせる。

泣きながらも抱いて欲しいとせがんでくる彼女を見て、歪んだ欲望を満たす。

彼女の中に僕の痕跡を残す。

まあみろ、お前らは決して彼女に触れることは出来ないんだ。

行為の後、僕達は裸のままで泥のように眠る


iPhoneアラームの音で目を覚ます

彼女はまだ僕の腕の中で寝息を立てている。

無邪気な彼女の寝顔を見ていると、昨夜の自分の下衆な行為を思い出す。

抑えきれない欲望を再び彼女にぶつける。

荒々しいだけのSEX

しかしそこには、無垢な愛があった。

確かに、愛はあったんだ。

再び彼女は泣く。

その泣き顔を見ながら僕は絶頂に達する。

行為の後、シャワーを浴びる。

彼女は僕の全身を丁寧に洗う。

耳元でとっても良かった、と囁く。

死にたくなってきた。

会社行きたくないよ。

出勤時間は過ぎたけど、未だに彼女のベッドで彼女匂いに包まれながら泣いている。

こんな世界はもう、壊れてしまえばいいのに。

http://anond.hatelabo.jp/20141219095054

記事への反応 -
    • 体が鉛のように重い。 今この文章を、愛人さんのベッドで書いている。 彼女が出勤した後の部屋に、僕は残っている。 テレビでは根本君が明るい声で今日の天気を伝えている。 僕は窓...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん