2014-10-22

ブラックワタミの「過酷すぎる労働実態」明らかに

ワタミの「過酷すぎる労働実態」明らかに 過労死裁判会社側が「是正勧告書」提出

2014年9月22日東京地方裁判所ワタミ過労死裁判の第5回口頭弁論が行われた。原告(遺族)側が提出を求めていた「是正勧告書」や「指導票」をワタミ側が提出し、裁判は進展を見せている。

是正勧告書とは、労働基準監督署調査のもと、労働基準法労働安全衛生法違反した企業交付されるもの。その中には過重労働安全配慮の欠如、残業代の未払いなど、ワタミ過酷労働実態が綴られていた。

安全配慮義務違反」の判断材料になるか 今回ワタミ側が提出したものは、数ある是正勧告書の一端にすぎないが、全国の労働基準監督署ワタミ店舗に指摘している事項は、このようなものだ。

労働者時間外労働協定における1日の限度時間(7時間)を超えて労働者に対して時間外労働を行わせたこと」

時間外労働協定特別条項における月の特別延長時間(75時間)を超え、かつ、特別延長時間まで労働時間を延長できる回数を超えて時間外労働を行わせたこと」

労働時間が8時間を超える場合において、少なくとも1時間の休憩時間労働時間の途中に与えていないこと」

「深夜業に常時従事する労働者に対して、6月ごとに1回、定期に健康診断実施していないこと」

「法定時間外労働となる当該時間外労働に対して、2割5分又は5割(月60時間超え)以上の率で計算した割増賃金を支払っていないこと」

 

ワタミ2014年1月、自社で設置した「外部有識者による業務改革検討委員会」(第三者委員会から法令遵守業務改善のための「調査報告書」を受領しているが、その中で08年4月から13年2月までに、全国の労基署から是正勧告24件、指導17件」を受けたことが明らかになっている。

これまでの裁判では、原告側がワタミ側に対し「是正勧告書」や「指導票」の開示を再三求めていたが、ワタミ側は「ただちに出すとは言えない」「本件との関連が薄い」として提出を拒んできた。

それが一転する形で、今回提出された。これは、森美菜さんが2008年6月入社2か月で過労自殺した後も、ワタミ法令違反による是正勧告を受け続けていたことを証明するものだ。ワタミ側に安全配慮義務違反があったかどうかを判断する大きな材料が出てきたという見方もできる。

原告側の玉木一成弁護士裁判後の報告集会で、是正勧告書などが明らかになったことについてこう評価した。

 

労働実態隠蔽することに対する厳しい批判が、ワタミ側に寄せられている。今回『隠蔽しきれない』としてすべて提出してきたのは、世論の力ではないか」

日本全国、北から南まで労基署是正勧告している。これは違反オンパレードだ。これは美菜さんが従事した過重業務が、全国で蔓延していたことを端的に示すものであると考える」

 

さらに同じ集会では、遺族である美菜さんの父母がこう心境を述べている。

 

「求めていた是正勧告書、指導票が出てきて、美菜が勤め始めた頃にも、すでに是正勧告書が出ていたことが分かりました。ワタミ側が、事実を隠して対応していたことを憤りとともに感じました。ワタミひとつの典型例。こういう実態を多くの人に知らせてほしいと思う」(父・豪さん)

渡邉美樹氏は、国会での過労死防止法の席で『たった一人の犠牲者を出したけれど、これからはこの法案で頑張りましょう』と家族の会に握手を求めたと聞いていますしかしなぜその子が死んだのか、一切自分検証しようとしない。そして、同じことを繰り返しているのが本当に許せない」(母・祐子さん)

 

遺族側からは今回、美菜さんの同僚だった元ワタミ社員からの陳述書も提出されている。11月20日に開かれる次回の第6回裁判は、双方の主張をもう一度整理し直す形となるようだ。

http://yukan-news.ameba.jp/20140922-21901/

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん