2014-10-09

社会科教科書中学受験内容が「ドン・キホーテ」「植物工場」で揺らいでくる

★某塾のテストで、

 「スーパーマーケット店舗レイアウトで、肉や魚は店のどこに陳列されているでしょう?」

 「そして、それは何故でしょう?」という問題がでたらしい。

 (正解は、「店の一番奥まった部分」。顧客の回遊動線を考えると、結局共通の店舗レイアウトに収れんしていく)

★でも「ドンキホーテ」って、塾や社会科教科書に反した店舗レイアウトだな

 その問題解いた小学生で、「ウチの近くのドンキは、こんな教科書通りのレイアウトしてません」と反論したら、どうなんだろう?

 「キミの家は、ドンキホーテのような下品な店を使ってるのか?

 成城石井紀伊國屋スーパーのような、真っ当なスーパーを使わなきゃ、受験で落ちろぞ」と教師に叱られる?

★なぜ成城石井紀伊國屋が「中学受験に効く」のか、わかるかな?

 これらスーパーでは、ちゃんと「旬のモノ」を正しく売ってるからだね。

 中学受験では、理科社会問題食品動植物の旬を出題するから、旬を守ってるスーパーで買い物するように、お母さんにお願いしようね。

★でも、植物工場が急速に普及して、野菜の旬が無意味になった将来の、中学受験の内容が気になる。

 子供が「ウチは植物工場野菜食べてますから、年中●●が食べれます」となったら、教師はどう反論する?

 ちょっと前の教科書なら、「レタスは主に長野県とか群馬県高原地帯で採れます」と書いていたが、

 あと5年もしたら、この記載は無効になるだろうな。

 「工場の遊休スペースで、全国で広く栽培されてます」と記載が変わるのか?

★そもそもレタスという野菜自体日本に定着したのが最近(70年代以降)だからな。

 生サラダの食習慣とか、サンドイッチに挟む、という食習慣、つまりパン食の普及とセット。

 ちなみにすかいらーくの元役員が著書で「レタス日本に定着させたのはすかいらーく」と豪語してた。

 生サラダの食習慣が定着した、というのは、裏を返せば「堆肥農業から化学肥料農業に転換し、寄生虫心配がなくなったから」なんだよな。

 ぜひ、中学受験では「なぜレタス日本に定着したのか?」というテーマで、寄生虫問題とか化学肥料発明とかまで「発展学習」して欲しい。

冗談抜きで、そろそろ「植物工場」は、小学4年の社会科教科書なんかで掲載を開始してもいいレベルだと思う。

 

 あと、「どの農作物が、どの地方で、どの季節で採れますか?」を教育するより、

 「どの農作物は、気温何度で生育しますか?水量はいくらいりますか?背丈は?生育期間は?投入エネルギー量は?」を教育した方が、植物工場時代には有用

 なぜなら、将来は植物工場時代で、産地の知識より生育条件知識のほうが、はるかに役立つ

 でも、「農水省さん、植物工場社会科教科書に載せましょう」という文部科学省の提案は、

 「あれは邪道農業相談するなら経産省にしてよ」という農水省のツレナイ反応で、ボツになったのだった(※想像)

自分子供の頃(70年代)の社会科教科書では、「デパート」「商店街」は登場しても、スーパーマーケットは登場してなかった記憶がある。

 既にダイエー三越を抜いて、日本一の小売事業者になった時点(70年代)の社会科教科書でも、そんなもの

 それくらい、教科書現実に対し遅行的

 では70年代の時点で、社会科教科書は「スーパーマーケット」を大々的に取り上げるべきだったか

 たぶんそのころだと、このように教科書に書かれただろう。

 「スーパーマーケットは、駅前の立地で、広い売り場スペースを確保して、何でも買えるようにしています。」

 で、「70年代スーパーマーケット」を多数抱えていたダイエーは潰れたのは周知のとおり。

 つまり教科書の知識は30年も持続しない。

 生き残ったのは、郊外に巨大駐車場を用意し、専門店も誘致したモール型のイオン

★30年前、カイワレダイコン工場生産ブームになり、各社一斉に生産を拡大して、カイワレダイコンが大暴落して、多くの業者倒産した。

 現代の「植物工場レタスブーム」、カイワレダイコンの二の舞にならないか?少し心配

★カイワレダイコン工場生産価格下落し、植物工場レタスも後を追う展開。

 工場生産による価格破壊の「元祖」が鶏卵であることは、意外と知られていない。

 戦前鶏卵は貴重品だったんだよな。1960年代鶏卵の「生産革命(=工場生産)が起き、価格破壊が起き、食文化が変わった

食材価格ランキングって、生産体制物流全然変わるからなあ。

 今や松茸高値の花で、椎茸はフツーの食材

 戦前は全く逆で、椎茸高値松茸がフツー。

 その背景には「エネルギー革命木炭がダブつき、木炭原料を使った椎茸価格破壊された」一方で「森林管理がなされなくなり松茸高騰」という実態がある。

★おそらく、植物工場革命で、食材価格ランキングがガラッと入れ替わる。

 植物工場生産最適化される食材価格暴落し、植物工場じゃ生産できない食材は高騰する

 逆にいえば、従来型農業しかできない農家植物工場を作る資本力がない農家は、

 「絶対に植物工場化されない食材」に特化するのが勝利の方程式

 生産時間が掛かるミカンとか柿とかが、植物工場化される心配もなくて安全じゃないかな?

化学肥料が普及した時、農薬が普及した時、トラクターが普及した時の農業界(60年ほど前?)の雰囲気って、

 植物工場に沸いている今と雰囲気が似てるのかな?

 「これで農業が変わる!」と皆が夢見ていた時代

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