2014-10-02

エンジニアズ=ハイ

大企業システムエンジニアは目の前の膨大なコードの前に立ち尽くし、いかに事故を起こさずに今回の客の要求だけを反映するか四苦八苦し、実装後はただ逃げ切る日を夢見る。俺の腐れ上司もちょこちょこっとシステム修正オフライン活躍し……ああつまり飲み会ゴルフ部長に媚びへつらい別の部署へ逃げ切っていった。

そうして俺の直上司は誰もいなくなり、一人か二人の学生上がりPGをメンバにもった俺が今度は修正をする番になる。


要求を読む。結構無茶な要求だが、敵はそれだけじゃない。コードが正ならコードを読めばいい。ただこの腐れ切ったコードが本当に正しいとは限らない。

俺は更新履歴の腐れ切ったワード仕様書を開く。誤字脱字のオンパレード例外処理云々といった赤字散見されつぎはぎだらけのゾンビーになっているのがわかる。



腐れ切ったコードと腐れ切った仕様書。この仕様書の記載をしたのはファイル更新日からすると二代前の部長だ。当時を思い出す。あの異常なスケジュール下でいいかげんな部長が変更仕様を仕込むとすれば、まずここの影響範囲の見込みを漏らすだろう。しかも高圧的な得意先だ。タフな交渉術を持たない部長のことだから得意先の負荷が高いインのテストパターンは申し入れしなかっただろう。ここも危ない。ああ、こっちもヤバそうだ。



そうやって前任者を想像しながら仕様書を読み込んでいくと、そこここに前任者のゴーストを読み取ることができる。俺はこいつをぶち殺すのが好きだ。まるで前任者自身をぶち殺せるかのような錯覚に陥る。



仕様書を生まれ変わらせる。そしてコードを生まれ変わらせる。腐れた部分をぶち殺す。このとき感覚を俺はエンジニアハイと呼んでるが、この業界、多かれ少なかれみんな似たような体験をしたことがあると思う。

学生のみなさんもぜひこの業界に来るといい。歓迎する。

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