2014-07-25

うつ病経験

私は高校時代うつ病になったことがある。

症状はかなり深刻で、無気力、無感動。明らかな記憶力、判断力の低下もあり、学校でも私生活でもありえないミスを連発した。

感情抑制も効かなくなっていて、外部からストレスに過敏に反応していた。この辺りは無感動と矛盾するように思われるかもしれないが、面白いもの美しいものには感動できないが他人からの指示や指摘といったストレスだけは過剰に負担に感じてしまうという最悪の状態だった。そして一番酷かったのが言葉を発そうと口を開いても声が出るまで時間がかかり、ようやく話し始めても語尾まで言葉が続かないこと。語尾に辿り着くまでに言葉が思いつかなくなることもあるし、話しているつもりなのだが声量がどんどん下がり声が出なくなってしまパターンもあった。一歩間違えば失声症になっていたのかもしれない。

私はうつを直すのに薬を使うことに強い抵抗があり、カウンセリングだけを受け続けていた。本当は薬に頼るべきだったのかもしれないけれど今となっては何が最良だったのかは分からない。カウンセリング治療だけにしようと決めた時点で、心療内科に通うのを辞めてしまったのでこの話は治療方法や通院の参考にはならないと思う。

カウンセリングでは具体的にどんな話をしていたのか、正直あまり記憶にない。当時の記憶力が低下していたことも原因の一つかもしれないが、思い出したくない心理も働いているように思う。断片的な記憶だが、とりとめのない私の話をカウンセラーさんが聞いてくれて、一つづつ何が辛いのかを整理していった。何か直接の原因を解決する、というよりは、受け止め方を変えるアドバイスを受けていたと思う。あとは弱い自分ダメ自分を受け止めて自己否定をしないこと、とかね。とりとめのない話を聞いてくれるというのはとても重要で、普段悶々と頭の中を巡っている思考を言葉としてアウトプットし受け止めてもらうプロセスは、症状の緩和にとても役立ったと思う。ただ、話したいとき、話したくないときがあって、せっかくの予約をドタキャンなんてこともあったりした。当時は先生にご迷惑をおかけした。

カウンセリングだけでなく、本当に偶然の良い巡り合わせの重なりで、一年弱で随分明るくなった。まず明らかに記憶力、判断力が改善した。

以前であれば、自分が直前に話した内容すらも忘れる有様だったのが治り、言葉も力強く発せるようになった。言葉がはっきり発声できることを自覚したときには本当に嬉しかった。趣味や進路のことにも随分積極的に関われるようになったし、今まで否定的に受け止めていたことを受け流したり、肯定的に捉えられるようになっていた。今までは人に言えなかった悩みを言語化して周りに話せるようになったことで周囲の理解も得られ、カウンセリング通いを卒業した。高校2年の冬のことだった。

うつは治る病気だ。うつの渦中と健康な状態では、本当にものの考え方も行動力も違ってくる。無気力や無感動という症状だけの場合一見怠け者だの仮病だのと思われがちだ。しかうつを拗らせてしまうと本当に重い症状が出てくる。記憶力判断力の低下と発話の不自由にはかなり苦しんだ。軽度うつの方にはそうなる前に病院にかかることをオススメしたい。そして周囲の方々もうつの人を甘えと言わず暖かい目で治療を見守ってあげてほしい。

私はその後も時々、軽度のうつのような症状を発することを数年置きに繰り返し、正直完治したとは言えないのかもしれないし、元々あまり現代社会に馴染めていない側面もある。他のうつ患者の方にも再発に悩んでいる方も多いだろう。私は現在、かなりうつ傾向に近づいてしまっていて、焦りと不安を感じている。

うつは治る、だか繰り返しやすい病でもある。カウンセリングはあれ以来かかっていないが、久しぶりに通いもう一度自分を見つめ直そうか。

社会に完全に適合することに対しては既に諦めのような感情があるが、上手く社会と折り合って生きて行くためにどうすればいいのか模索を続けよう。うつ経験し、今も抱える私の自分語り最後まで読んでくれた方がいたらありがとう。そして、もしうつに苦しむ方が居たら、どうか焦らず、ゆっくりうつと生きて行く方法を考えていこう。

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