2014-06-22

詐欺師の悩み

詐欺帝王(溝口敦)を読んだ。

五菱会のヤミ金摘発の後にヤミ金をはじめて

そのまま振り込め詐欺へと移行して稼ぎまくった人の話が中心。

ネット歌舞伎町5人衆と検索すると真偽不明な噂が沢山出てくる。

それこそ「信じるか信じないかはあなた次第」の世界だ。

詐欺帝王に出てくる主人公はこの歌舞伎町5人衆の中の一人で

おそらく一番名前が通ってる人。

広告代理店勤務を経てヤミ金を始め、振り込め詐欺へと移行し

荒稼ぎしていく様子が生々しく書かれている。

本書にはバイオレンスな要素も多少ある。

こういうヤクザ半グレに関わる出版物やネットの書き込みは

喧嘩は◯◯最強!凶悪さは☓☓が一番!等の要素で盛り上がっていることが多い。

でもそれって自分はあんま興味ない。

自分ナニワ金融道を好きなのはバトル要素がないからだ。

どこどこの四天王とかだれだれ三兄弟とか

そういうドラゴンボール的なバトル要素に興味が沸かない。

話を戻すとこの詐欺帝王で興味深かったのは2点

ヤミ金や振り込めサギの手口を明かしている所

既にどこかで読んだこともある手口だったりするが

純粋詐欺に使うアイテム的な手口と人心掌握的な手口、

両面から書いてあるのは意外と珍しい。

そしてもう一点は詐欺師最大の悩み。

「稼いだ金をどうするか」だ。

オレオレ詐欺師だけでなく犯罪収益全般がそうなんだけど、

現金ばっかりあっても家も買えないし、そのままじゃ株も買えない。

そもそも銀行口座に入金できない。

使い勝手の悪い金だ。

この本にも詐欺で稼いだ現金が沢山ある家に税務署員がやってくる描写がある。

となると使う場所は夜の飲み屋カジノくらい。

この本の人はキャバクラで派手に使ったらしいけど

若い人がとんでもない額を夜の街で毎晩使ってたら、

狙われるリスクも高い。

ギャングースという漫画にも犯罪組織の金主が闇カジノで遊ぶ描写がでてくる。

いつ捕まるかもわからない、いつまで続けられるかもわからない。

そんな状態だから詐欺師ストレスは溜まるんだろう。

で、手元にある大量の現金をどうするか。

1. 後先考えず遊びに使い切る

2. 若くして隠居、ちょびちょび使って逃げ切り人生

3. 上手にマネロンじゃぶじゃぶ。綺麗なお金合法新規事業

単純に人数的には1が一番多そう。

やっぱオラオラ気質なので宵越しの金は持たずに使っちゃう

そして2の道を選ぶ人は、、、いるのかな?

いてもこのルートは地味だから数えられない。でもきっと少なそう。

3が一番の成功ルートかな、タンス預金の一部をじゃぶじゃぶマネロンして新規事業

社長に収まれば世間体はいい。儲からない事業でもまだまだお金は残ってるから大丈夫

ヤミ金オレオレではないにせよ、

グレーな方法大金を握って、一度もお縄にならず頃合いを見て手を引いて

その大金クリーン仕事を始めて、青年実業家に収まってる社長さんっているのかな?

ていうかいっぱいいるよね。こういう社長さんw

  • >クリーンな事業の青年実業家になる人 所謂闇社会からのアガリだね。 ここにゴール出来る人はごく僅かだと聞く。 でも昔から、ここがアガリとして存在はしてたみたい。 大抵の人...

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