2014-04-10

食事を残すのがマナー違反なのは日本だけなのか?

http://b.hatena.ne.jp/entry/shikisha.hatenablog.com/entry/2014/04/09/170536

ブコメ日本の文化が、とかモッタイナイ精神とか言及してる人が複数いたのと、個人的に気になってたトピックだったので

「食事を残すのがマナー違反なのは日本だけなのか?」とネットを軽く漁ってみた。

で、見つけたのが以下のフォーラム

http://forum.wordreference.com/showthread.php?t=385127

アメリカでは食事を残すのは無作法なの?」という質問から始まったスレッド

質問主はアメリカ事情を聞いてるけど、「他の国から意見もどうぞ!」となってて

いろんな国の人がうちの国では…を回答してる。

超訳かつ主観でまとめさせてもらうと、

アメリカ以外でも多くの国で「自分でよそった食事を手をつけずに残す」のは無作法との回答

アメリカといっても地域年代、もちろん人によっても異なる

・やはりじいちゃんばあちゃん世代はどの国でも「残さず食え」というしつけだったようだ

お腹がすいてないとかこれ以上食べられないときは断ろう、ただし礼儀正しく、という回答もある

・いわゆる「世界には食べたくても食べられない子供が…」式の説教はどこの国でもあるらしい

・なにがなんでも全部食べるべき!という回答はない。逆に、いくらでも残すぜ!という回答もない。当たり前か。

質問主の想定が「他人の家に招かれた際に食べ残すのは」だったため、

多くの回答はホスト(招いた人)への気遣いや、逆に自分ホストになった場合を想定してのものだった。

とりあえずの結論としては、「食べ物を残してはいけない」という文化別に日本だけのものじゃない。

多かれ少なかれ、どこの国にもある感覚だと思ってもいいんじゃないだろうか。

ただし、このフォーラムを見ててちょっと興味深いことがあったんで以下はそれについて書く。


食事を残すのはなぜ悪いのか?における日本価値観

スレッド最後のほうで、アメリカ在住(?)の日本人らしき人の書き込みがある。

田舎で育ったというこの人は、子供のころ学校で食事を残さないよう強制された思い出を語っている。

食べ終えるまで帰れなかった母親世代ほどではないが、と注釈を入れた上で、

ニンジンが大嫌いでこっそり捨てていた同級生の話、ティッシュに包んで持ち帰っていた子の話などが続く。


自分が興味を引かれたのは、食べ残すことに「罪悪感がある(feel guilty)」という言葉

このスレッドで罪悪感という単語を出したのは、この日本人らしき書き込み主だけだった。


食べ物無駄にする(wasting food)ことについてさえ、言及してる人は他に二人だけ(ドイツ人アメリカ人)。

ほとんどの回答者ホストへの気遣いは理由にしても、食べ物無駄にすることを理由には挙げない。

これは食物を貴重とする日本価値観によるものであり、道元はその理由を

食材は多くの人々の労力のこもった物であるから粗末にしてはならない」と述べる

日本の食事作法 - Wikipedia より引用

食べ物を粗末にするのは罪悪感を感じる、だからさない、というのは、

しかすると日本的な(他国にもあるにはあるが)価値観なのかもしれない。


他にももうひとつ、罪悪感を感じる原因は明らかに学校教育にもあるだろう。

食事を残す、と言われて日本人ならすぐ思い浮かぶのは給食での光景だ。

日本では、家庭で行われるような「しつけ」をある程度学校がしている状況がある。

給食を残さないことを過剰に強制されるのも、食べ物を残すことへの罪悪感から来ているのかもしれない。


日本人らしき書き込み主は、アメリカ大学での経験も語っている。

学食で多くの生徒が食べもしない料理を皿に盛って、そのまま捨てていたこと。

用意された多くの食べ物が廃棄されることに、書き込み主はいつも罪悪感を感じていたという。


彼(彼女)が感じていた罪悪感は、学食を作ってくれた料理人のものだろうか?

かつて学校で教えられてきたことに反する行いへのものだろうか?

それとも、単純に食べ物を粗末にすることへのものだろうか?


「お百姓さん(←差別語)が汗水垂らして作ってくれたお米を…」式の説教は、

世界には食べられない子供たちが…」となにも変わらない。

農家の人のほうが実際には大量の野菜だの米だの捨ててるよ、とか現実を言ったところで

彼(彼女)の罪悪感が減るわけではないだろう。

たとえ機械大量生産されたファストフードでも、厳しく怖い教師がいない場であっても、

多くの日本人食べ物を残すということに罪悪感を感じるのかもしれない。


個人的に、食べられないもの強制的に食べさせるのはよくないと思う。

アレルギーや体質的な問題で食べられない人もいるということが広まっているのもいいことだ。


ただ、「食べ物を残すのはよくない、なぜなら…」と語るとき

ホスト心証など現実的問題点を挙げる外国人比較して

食べ物を粗末にするのは罪悪感があるから、と続ける日本人、という図式を発見したのが

ちょっとおもしろかったので書いてみた。

もちろんすべての日本人がこうだと言うつもりはない。

宗教と言えば宗教なんだろうし、それが気持ち悪いとか嫌だという人もいるだろうしね。

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