2014-03-07

ネコ大好きリスキー

ネコつきマンション』なんてのが、ちまたで流行っているようだけど、ネコを飼うのはなかなか大変だ。

ネコ基本的に飼い主のことなんかそっちのけで、ふらりと出て行っては、ずいぶん長い間帰ってこなかったり、

ともすると突然帰ってきたりする。

子猫連れて帰ってくることも(稀に)ある。

で、こっちが増えた新入りの世話に追われて、てんやわんやになっているのを横目に、古残のネコどもはエサだけ食べて、あとはぶらぶらしている。

のんきなもんだよ。

まあでも、子猫カワイイ。おとなネコも、おおむねカワイイ

俺は、ずいぶん長い間、ネコさま方とは懇意にさせて頂いている。

一人暮らしを始めた時に、入居した部屋がたまたまペット可で、雨の日にずぶ濡れになっていた黒猫保護した。

それ以来、知り合いから引き取ったり、野良屋根になったりしたりで、どっぷりネコ生活を続けている。

もう10年になる。

ある、平日の昼のこと。

その日、大学講義がなんかの理由でポシャって、友だちにもハブられた俺は、部屋でひとり優雅に茶でも飲みながら読書、と決め込んだ。

寂れた古本屋店頭に100円で置いてあったやつを値段に惹かれて買ったのがいけなかったのか、文庫本はあまりに退屈だった。

いつしか読書に飽きた俺は、一人がけソファで、つい、うとうとした。

すると、ニャーと声を鳴らして、足元にネコが寄ってきた。

ん?こんな奴いたっけ?

当時のうちは野良のたまり場になっていて、常時2匹は滞在していて、ぜんぶで10匹位はいたと思う。

そのなかに三毛猫はもちろんいたけれど。

はて、こんなにスリムな美形さんはお目にかかったことがない。

いや、やや、顔のパーツが離れているか

説明しにくいのだが、鼻に対して、目と口が若干離れている。でも、顔自体は大きくない。

こっちが見つめていると、嬉しそうに、ニャーともう一度鳴き、俺の足元をグルリと周る。

いやしかし、俺ってばネコちゃんにモテモテですねえ。次から次へと取っ替えひっ替え、まったくお盛んなことですねえ。こんな調子彼女もできればいいんだけど。だがしかし全然脈が無い、どころか女の子と付き合いがない。なぜならば理系まっしぐら男子大学からである。当然の帰結である出会いが欲しい。どこかに無いか。バイトでもすればいいのではないか。バイトすればネコの餌代もまかなえて貧困生活から脱却できるのではないか。でも俺がバイトしている間、こいつらの面倒は誰がみるのか。

なけなしの仕送りから、出費だけが増えていく。

俺はため息を付いて、足元の新入りを見た。

すると、新入りのネコは、ピタリと動きを止めた。

こっちに顔を向けたまま、微動だにしない。

あれ?なんか、さっきより目の位置が離れていないか?

よく見ると、鼻も下がっている。口も離れていく。

そういえば、他のネコの気配がしない。いつもいるはずのネコ達が今は一匹もいないようだ。窓の外からは何の音も聞こえない。

冷や汗がつたう。目をそらす事ができない。

ネコの顔は、どんどん離れていった。

凍りついたように固まっている。

やがて、顔には何もなくなったが、顔をゆっくり前後に揺らして、


「ゔあ゛あ゛あ゛あ゛」唸るような音を出した。

そこで目を覚ました。通りを走る車の音が聞こえた。キッチンからガサゴソ音がするので、他の連中もいるんだと思う。

もちろん足元にネコはいない。

  • 第一夜 http://anond.hatelabo.jp/20140304083202 こんな夢を見た。 高校生のカップルが繁華街にいる。 第二夜 http://anond.hatelabo.jp/20140304130759 セックスしたことない人間も淫夢を見るわけだけ...

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