2014-01-31

日常的に嘘をつかないとフツーに世渡りもできないのがツラい

29歳男 中堅企業の営業職。社会人になってもうすぐ8年目。

お客様からも評判は悪くなく、良いお付き合いができていると思う。

成果もそれなりに上げてきたし、部内での表彰もされたこともあった。

会社上司からはそれに見合った評価をされてると思うし、同期の中でも出世は早めな方だった。

ささやかながら肩書きもつけてもらえたし、新人教育担当もやっている。

一見順風満帆に見える僕だが、日常的に大きな嘘をつき続けている。

僕は本当は同性愛者だが、異性愛者だと偽っているのだ。

ちなみに同性愛である事を隠していると、嘘をつかなければいけない場面がそこら中にある。

「付き合ってる人いるの?」→「いますよ(男だけどな)」

「どういう子がタイプ?」→「元気で家庭的な子ですかね(男だけどな)」

彼女芸能人で言うと誰似?」→「うーん、芸能人では似てる人はいないですかね(佐々木健介似だとはさすがに言えない)」

彼女のこと何て読んでるの?」→「陽子って呼んでます(本当は陽介です)」

結婚しないの?」→「うーん、まだですかね(今の日本ではしばらくできねぇだろ)」

子どもとか欲しくないの?」→「こればかりは授かりものですからね(純粋に愛し合う人との子どもは作れないし)」

「(ちょっとしたノリで)わー、あいホモかよー」→「ははは…(あいつはどう見てもノンケだろ。むしろ僕がホンモノのホモですし)」

「(会社の付き合いで)風俗行こうぜー」→「…はい(一緒に行くけど風俗嬢には「彼女がうるさくて…」と言ってマッサージをしてもらう)」

挙げたのはほんの一例に過ぎず、かなり多くの嘘をつかないと辻褄が合わない。

感覚値としては、普通に生活をしているだけで大小合わせて1日2~3回ぐらい嘘をついているだろう。

ただ、他の仲間と同じようにフツーに世渡りをしていくためだけに、

頭の中で興味のない異性の恋人像を描きながら、詳細且つ現実的キャラクター設定を行っているのだ。

そして、仕事生活における一挙手一投足に設定の世界を照らし合わせて話している。

正直、これが苦痛しょうがない。

もちろん、プライベートを完全に隠すこともできるだろうし、

一方で正直にカミングアウトすることも手段としてはあるだろう。

しかし、そのどちらかを選択した場合、他の仲間と同じような世渡りができるのだろうか。

同じように仕事を頑張ったとしても、「付き合いが悪い奴」か「ちょっと変わってる奴」としか思われないであろう。

さらにも30歳を超える頃にはまた"続編"を考えなければならないのだ。

今、僕が考えている設定はこうだ。

彼女仕事が大好き。家庭に入るなんて全く考えていない。

お互いの両親もそんなにうるさくないし、孫はお互いの兄弟に任せている。

気ままに暮らしながら、つかず離れず、お互いを尊重し合いながら生きて行く。」

みたいな設定。

おそらく僕たち同性愛者は、こういう設定作りを日々ブラッシュアップしていかなければならない。

不毛すぎる。

でも、こんな事を考えないとフツーの世渡りすらできないのだ。

から見れば常に俳優ごっこをやって、別の人生を生きているみたいで楽しく見えるかもしれないが、

人格を日々の生活から使い分けなければならず、

さらにそこでの演じ分けにおいて、決して失敗が許されないのは、かなり精神にしんどい。

こんな不毛なことを考えない日は来るのだろうか。

いや、僕らが生きている間には来ないだろうな。

そんな事を考えながら、また今日恋人を"彼女"と称しフィクションを語る。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん