2013-11-12

坂の上の雲 倭国

まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。

小さなといえば、大化初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。

産業といえば農業狩猟しかなく、人材といえば仁徳天皇以来の読書階級であった渡来人しかいなかった。

大化の改新によって倭人は初めて律令的な「国家」というものをもった。

誰もが「日本人」になった。

不慣れながら「日本人」になった倭人たちは、日本史上の最初対外戦争敗戦に、危機感をもった。

この痛々しいばかりの危機感が分からなければ、この段階の歴史は分からない。

から思えば、実に滑稽なことに、農業狩猟の他に主要産業のない国家の連中は、東アジア先進国と同じ都市を持とうとした、律令も同様である。賛同が得られ るはずがない。が、ともかくも統一国家を作り上げようというのは、元々大化の改新成立の大目的であったし、改新後の倭人危機意識でもあった。

この物語は、その小さな国が東アジアにおける大国の唐・新羅と対決し、どのように振舞ったかという物語である

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