http://anond.hatelabo.jp/20131029013758
の続き 文字数オーバーの警告出ないのね。
「俺は殺しすぎた。捕まれば死刑は免れない。殺人には時効もない。俺は逃げ続ける自信が無い。多くの人に俺は迷惑をかけすぎたし、結局、うずらも姉ちゃんも守ることができなかった」
「なんで!! なんで、せっかく助けてくれたのに!! またお別れになるの!!」
うずらは泣いていた
「仕方ないんだ… 本当にごめん…」
俺はうずらに謝った。
「わかった… じゃあ、せめて私のお願いを聞いて…」
「ああ」
「わたし、まだ妊娠してないの。あの人が経産婦は締まりがとか言っていて、ピルを飲まされてたの。だから、あなたの子供が欲しいからピルが抜けるまで、待ってほしい…」
うずらは、俺をまっすぐ見つめてきた。
俺はそれに頷いて、車のエンジンをかけながら言った。
「わかった」
それから俺たちは隠れた。逃避行だった。姉は妊娠していることもあり、保護を求めることになった。嫌な男だったけど、子供は自分の子供だからと言っていた。何度も堕ろされてボロボロになっていたはずの姉は気丈だった。
逃げながらでも、二人での暮らしは楽しかった。うずらとは何度も求めあった。ピルが抜けてしばらくすると、うずらは妊娠検査薬を誇らしげに掲げながら俺に見せた。彼女は妊娠した。
俺はそれを見届けると、言った。
「じゃぁ、これでお別れだな」
「お前も、一応犯人隠避をやっているからつかまるな。まぁ、執行猶予は取れるだろうけど」
「だね」
「ヒロトは… 人殺しかもしれないけど、私にとってはヒーローだよ…」
「とりあえず、姉ちゃんにたよって暮らせよ」
「うん」
「じゃあ、行くか」
事件は俺の自首で終わった。報道合戦で田舎の村の忌々しい風習は白日の下にさらされた。三文週刊誌の売文屋どもが好き放題書いたおかげだ。祭りに関わっていた人間は、生き残っていても、もう二度と再起不能になるだろう。
金の代わりに嫁がされていた娘たちも全国から支援が入っているそうだ。女性団体というと偏屈な集団かと思っていたが、今は彼女らの活躍を素直に褒められる。また、彼女たちから俺の助命嘆願が裁判所に提出されたらしい。他人に感謝されるのは、人殺しでもうれしいものだ。
自衛隊は未曾有の不祥事に師団長、方面総監、陸幕長が勇退。連隊長と中隊長、小隊長らは停職処分。警衛司令の川崎曹長も停職処分だったそうだが、手紙をくれた。川崎曹長は「お前のやったことは正しいし、だれも恨んでいない。だから、正々堂々裁判を受けて、甘んじて判決を受けてほしい」と書いていた。とんでもない迷惑をかけたことに申し訳なさを感じつつも、嬉しく思った。
うずらは事件から半年を待って俺と結婚した。獄中だが、やっとあいつと二人になれた。あいつの裁判はもうすでに終わっていて、執行猶予付きの判決で確定した。
りょう おいしいお肉の召し上がり方 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4863493762/ に掲載されている作品「神籠りの夜に」の後日談SSを書いた。 実は、SSって苦手で全然書けなかったのだけど、作...
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