2013-08-16

「がんばれよ」って言ったら死んでしまった

数年前のこと、このぐらいの時期の平日に元彼女で、一緒にバンドをしていた子から電話がかかってきた。

お盆休みに入るが、金も予定もないという話だった。

別れてからバンド活動はしていて、彼女シンガーだったので月に2、3回はライブやら、練習で会っていた(別れてから肉体関係は無し)

家もお互い、都内一人暮らしで、隣りの駅で近かったため、月に一回ぐらいは居酒屋で呑んだりしていた。

そんな彼女から電話も、そうそう珍しくないのだが、その時は少し面倒だった。

面倒だった理由は、

バンド活動があまりうまく行ってなかった。(毎年アルバムインディーで1枚リリースしてたがこの年は予定がなかった)

作曲煮詰まっていた。(自分プロデューサーでした)

金も無いし、休みもなくいらいらしていた。(普段はサラリーマン

今考えると、その時自分は軽く鬱だった気がする。

サラリーマンバンドマンはいえ、本気で音楽活動をずっとしていた。

とにかく自分のことでいっぱいいっぱいだったのを覚えている。

そんな状況の、夜11時ぐらいの彼女から電話だった。

会話の内容は、

・寂しくて、ぬいぐるみを買った。(ぬいぐるみを買うような性格ではないのに)

・先日ナンパされ、今度そいつ(妻帯者)が家に来るかも。

明日から休みだけど、することが無い、金も無い。

お盆実家に帰るなら一緒に連れていってほしい。

そんなような、かまって欲しいという内容だった。

それに対して私は

「まぁ兎に角プライベートは一人でがんばれよ」

みたいな内容で、突き放すように切ってしまった。

電話を切った後、邪険にしてしまったことを少し悔いながら、メールを送った。

内容は、週末ライブの予定だったため、3日後のスタジオ練習忘れんなよ!というメールだった。

いつもならすぐ返信がすぐ来るはずだが、その日は返信がこなっかった。

もう寝てしまったのか?

怒っているのか?

からないまま、次の日の会社に備えて私は寝てしまった。

翌日になっても返信は来ない、電話してもでない。

またその翌日になっても返信は来ない、電話してもでない。

これはおかしい・・病気でもしてるのか?と心配になり、会社終わりで直接彼女の家に向かった。

以前、付き合って間もない頃、突然彼女と連絡がとれなくなったことがあった。

理由は薬物で警察に捕まり拘置所にいたから、ということがあったのだが。

さすがに、今回はそれは無いだろうと思っていた。

向かう電車の中、もしかしたらという不安に駆られ、駅に着いた時には確信に近いものに変わっていた。

彼女の家についたのは、既に19時過ぎぐらいだったと思う。

2階にある彼女の部屋を外から見ると、煌々と明かりがついていた。

もう一度、電話をかけたが留守電になった。

「あー・・・まじかー・・・たぶん・・・もうだめかも・・」

と思いながら、最上階に大家が住んでいることを知っていたので、事情を説明し部屋を空けてもらった。

中に入ると、すぐキッチンで、ドアの先が彼女のいる部屋だった。

ドアを開けようとすると、重くて開けられない。

何か邪魔してる感じだった。

私が来たのを知って、会いたくないから、わざと中からドアを押してるのであれば、どんなにいいだろうか。

と思いながら強引に部屋に入った。

中は、エアコンがびんびんに効いていて、肌寒いぐらいの温度で、彼女はドアのノブタオルを掛け、首を吊って死んでいた。

私は泣きながら、なんで!?なんで!?と何度も叫んでいた。

その後、大家警察救急車を呼び、私は彼女母親バンド仲間、近所の友人を呼んだ。

後日母親遺書を見せてもらった。

私と、母親と、彼女親友女友達に宛てて、「ごめんなさい」という内容だった。

彼女とは出会ってから10年以上の付き合いだった。

10年の間に、出会ってすぐに付き合いだし、5年同棲し、別れて2年、別々に一人暮らしをしていた。

別れてからはお互いに、別の彼氏彼女ができたり別れたりしていた。

それをつまみに二人で呑んだりしていた。

自殺する1ヶ月2ヶ月前ぐらいに、二人で呑んだときに、私と結婚したいと、酔っ払いながらも本気で言ってきた。

私には彼女結婚する気はなかったので、断っていた。

一度、酔っぱらいながら私にヘッドバットしながら、お前だけ幸せにはさせねぇぞ!

と、ふざけてるのか、本気なのかわからないテンションでのやりとりもあったりしたのを思い出す。

彼女は、末っ子で寂しがり屋のAB型、ひっこみじあんだが、なぜかシンガーで大酒飲み。

仕事が終わると、帰宅中に缶ビールを飲みながら帰るぐらいで、アルコール依存症だったと思う。

リストカットや未遂などの実績はなく、とにかく酒をよく飲む人だった。

事後、彼女結婚していればこんなことにならなかったのに・・・と後悔したり。

結婚しても同棲で一度失敗しているのにうまく行くわけがない・・・と納得したり。

こんな十字架背をわせやがって!むかつく!!!と憤慨してみたり。

いろんな後悔や開き直りを繰り替えしながら、現在に至る。

そして今年、結婚した(自分男、相手女性)。

もうすぐ子供生まれる。

音楽活動はほとんどやらず、地道にサラリーマンに専念している。

忘れようとは思うが、完全に忘れるのは不可能。(第一発見者だし)

とりあえずの自分の中の区切りとしてここに投稿

これからお盆になると、特に思い出すだろう。

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