2013-05-25

なぜブラック企業で壊れるまで働いてしまうのか

彼氏から何年もDVの被害に遭い続け、メンタルが壊れた女が居るとしよう。

そんな女と付き合いたいだろうか。

「俺はDV男じゃないのに、なぜ見ず知らずのDV男が壊した女を治さなくちゃならないんだ?」とは思わないだろうか。

「そんな風になる前に、DVだと気付いた時点ですぐ別れていたらここまで病まずに済んだのに」とも思うだろう。

なぜDVされても何年も別れられないのだろう。メンタルが壊れて限界に来るまで、DV男を捨てることが出来ないのだろう。

大体は「自信がないから」と「責任感が強いから」の二つのパターン、あるいは併発しているパターンだ。

「この人と別れたらもう次の彼氏は出来ないかもしれない…」という自信のなさ。

「私が見捨てたらこの人はどうなってしまうの…」という過剰な責任感。

ブラック企業で使い潰される人材によく似ている。

「付き合う前(就職する前)に見抜けよ」というのは、あまりに異性や社会を知らなさすぎる。

とんでもないものを隠し持った奴ほど、最初の印象はいものだ。

奴らは全力で隠蔽する。そんな奴らに一度も遭遇せずに生きてこられたのなら、自分が恵まれていることを実感したほうがいい。

 

俺は新卒で入った企業ブラックだった。

現在は、その時の数人の同期も含め、転職してまあまあまともな会社で働くことが出来ている。

しかしその時の上司と後輩は、メンタルが壊れて休職退職したと聞いた。

上司と後輩はキャラクターは違うものの、転職活動をしないという点では同じだった。

 

上司責任感の強い人間だった。

「部下たちを守らなくては、会社を存続させなくては」と、経営者よりも責任感があるありさまだった。

上司の深夜残業休日出勤はすさまじかった。週6.5日勤務くらいはしていただろう。

その影で犠牲になっていたのは上司の妻子だ。

上司自分犠牲にしてブラック企業に尽くすことで、妻子までもが犠牲になっていた。

「私」より「公」をより尊重すべきものだと考えているのも、上司のような人間の特徴だ。

本当の意味での社畜とは、上司のような人間なのだと思う。

「俺は独身なんでまだ無理もききますけど、上司さんの場合、奥さんがかわいそうですよ。

 上司さんなら他の企業ならもっと待遇も良くなるし、家族サービスも出来ると思いますよ。」

俺は上司にこう言ったことがある。しかし、上司は笑って聞き入れてくれなかった。

そして体調を崩して休職だ。大企業ではないので、休職すると無給。

病院代もかかるだろう。家族四人、どうやって暮らしているのだろう。

 

後輩は、コミュニケーション能力に問題があった。

学歴で言えばもっといい企業を狙えるのに、面接がうまくいかないせいでブラックに来た奴だった。

報・連・相が出来ないし、人の顔を見られず、人の名前を呼べなかった。

「あの……これってそn…………」

何を喋るにも、語尾が消えていく。

聞き取れなくて「え、え?」となると、怯えたようになる。

正直「変なのが来やがった」と思った。

しかし、黙々と自己完結的に行う仕事では高いパフォーマンスを発揮した。

喋らないので仕事上関わりの無い奴には無能に見えるが、上がってきた仕事を見ると業務の効率化について

効率オタク」と言ってもいいほど考え続けているのがわかる。

体系化、効率化するという点で、俺よりも能力が高いと思う瞬間も度々あった。

俺は後輩にIPメッセンジャーを入れさせ、俺との連絡はメッセで行うように言った。

するとやはり、メッセでは問題なく報告を受けられる。

上司と部下という関係ではなかったが、メッセ導入によって後輩の全業務を俺が把握して上に報告する状態になった。

課全体でメッセを導入すれば、後輩も直属の上司に直接報告出来たのだろう。

しかし俺の一存でそうすることは出来なかったし、そういう融通性を持った組織ではなかった。

うちの会社は対面でのコミュニケーション力を強要される職場だったわけだ。

俺は転職する気満々だったし、俺が仲介せず後輩が上司と直接やりとりするようになれば、

面倒なことになるのは目に見えていた。だから、俺は後輩にも転職活動をすすめていた。

しかし、後輩はしなかった。面接が嫌だったのだろう。

せっかく就職することが出来たのに、また「落とされる」という嫌な経験をしなければいけないのが嫌だったのだろう。

嫌だというより、耐えられなかったのだろう。

就活して落ちるということは、人格が否定されるってことじゃないんだ。その会社とは相性が悪かったってだけなんだよ。

 この会社に居る限り、後輩君の能力が正当に認められることは無いし、後輩君だって働き辛いだろう?」

俺はそう言ったが、後輩は圧迫面接を受けているように、親に叱られているように、うつむいているだけだった。

こいつはこういう話を望んでいない…。そう思って、俺は干渉することを辞め、転職した。

後輩は会社休職し、そのまま戻らず退職した。実家に戻ってニートをしていると人づてに聞いた。

 

運悪くブラック企業に入ってしまった時、どうすればいいのか。

それは「転職一択だ。

ブラックに何年も労働力提供してしま労働者が居るからブラック企業は維持されてしまう。

皆が過剰な責任感を捨て、「俺は他の会社でなら活躍できる」という自信を持ってブラック企業を捨てれば、

ブラック企業組織を維持出来なくなり、淘汰されるはずなんだ。

しか上司や後輩のようなタイプは、おそらく変わることを望んでいない。

上司や後輩のようなタイプでも、最初に入った企業ホワイトであれば…つまり運が良ければ変わる必要もなかったわけだ。

新卒たちは「自分ブラックに当たらない」と信じながら就活をしているのだろう。

しかし当たるときは当たる。いくら回避しようとしたって、とにかく運が悪ければ当たる。

一般的なブラックではなくとも、そこの企業風土なり雰囲気なりが、自分にとっては致命的に合わない場合だってある。

残業休日出勤も無いが、酷い社内いじめが横行している会社だってある。

 

壊れきってしまう前に転職をしなくてはいけない。

損切り」の感覚を持たなくてはいけない。

これは対人関係であってもそうだ。DV男やメンヘラ女にメチャクチャにされる前に、

別れることで損切りしなくてはいけないんだ。

自分を守るために。自分を生かすために。

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