2012-11-04

Googleブログを消された話

レンタルブログサービスBlogger」をご存知だろうか?
ブログサービスを手がける業者は数多くあるけれども、Google本体が行なっているのはBloggerだけ。
そこに書いていたブログが削除された顛末をご紹介したい。


Bloggerはもともとサンフランシスコパイラボという会社が手がけていたサービスだったが、2003年Googleが買収して今の形になった。
日本では利用者が少ないけれども、SEO対策に優れている(らしい)ことやGoogleAdsenseとの連携が簡単なこともあって、利用者には好評だ。
かくいう私も、現在Blogger日本語ブログを240日以上、毎日公開している。


ブログを書く人の目的は様々だと思う。表現欲求を中心に、仲間、人脈を増やしたい人もいるだろうし、顧客を増やしたい法人もいるだろうし、アフィリエイトで儲けたい人もいるだろう。


最近の私の目的は、ブログを書きつつ英語も学ぼう、というもの
海外の人気サイトを和訳・意訳して紹介するようにしているが、そのうち(海外サイトを紹介するだけでは面白くないよな、日本語サイトにも面白いもの、たくさんあるんだから、それを海外に紹介していこう)
と考えた。


いろいろと逍遥するうちに思い至ったのが「ボケて」( http://bokete.jp/ )の英訳だ。
一文が短い、それを訳すのは多少のセンスが要求されるので頭を使う。
それに、海外でもhttp://everythingfunny.org/のようなサイトでも人気のようだ。


他人のふんどし相撲を取ってやろう、という下世話な感情があったことは否定しない。
(「ボケて」の中でも厳選されたネタを紹介すれば、海外の巨大マーケットからたくさんの人がやってきてウハウハだな!)
というね。
そこは批判されてもしかたない。


ブログ名前は「Silly Captions」にした。
最初はFunny Captionsという名前やStupid Captionsというサイト名にしようとしたが、同じ名前サイトが多すぎて閉口し、まだ検索数の少ないこのお題に落ち着いた。
お題となる写真を掲載し、そこに英訳したコメントをつけ、その下にアマゾンアフィリエイトを貼り、その下に、「ボケて」の日本語サイトリンクを貼る、というシンプルな構成にした。
Bloggerに「ボケて」のリンクを貼ると、ちゃんと元ネタ写真コメントも表示される。
オリジナルを尊重していたはずだった。


1日目。
http://bokete.jp/boke/2361756
のお題についた
「エヴィバディ!セイ!法〜王」
を、
「Everyboooody! Saaaaay!! Pooooope!」
と訳した。
これは単純で訳しやすかった。


2日目
http://bokete.jp/boke/2387111
のお題についた
先生シックスと言う度に振り返ってくる」
を、
「My friend usually looks back to me when the teacher says "Kant".」
と訳した。
英語圏では、sixもsexもありふれている言葉で、そこに子供が敏感に反応することはなかろう、と思って卑語辞典を調べてどうにかそれらしい訳をひねり出すのに呻吟した記憶がある。


3日目
http://bokete.jp/boke/2315945
のお題についた
「俺の中の悪魔が『ヒップホップで食っていけ』とささやいている」
を、
「My Daemon whispers to me that Hip Hop is my calling.」
と訳した。
「俺の中の悪魔が……」というコメント黒人という組み合わせが、海外じゃ人種差別に取られかねない。
そこでソクラテスダイモーンを持ちだした。また「食っていけ」というのをどう訳すかでも悩み、
calling=天職を思いつくのにも小一時間かかった。


4日目。
http://bokete.jp/boke/2271602
のお題についた
ゴルフ場しましょう!」
(個人的にはこれが一番のツボ)を、
「"Let's dig up tar sands !」

と訳した。
日本人ならゴルフ場開発が環境破壊をするという問題を共有しているが、海外ではそのような声は聞かれないという。
http://ameblo.jp/terfgrass-rd/day-20111206.html
そこでどう訳そうか……といろいろ考えて、この訳にした。

ご存じの方も多いだろうが、北米では、これまで採算が合わず放置されていたオイルサンドと呼ばれる揮発成分を失った原油の発掘による環境破壊が大きな問題となっている。

トナカイ繁殖である森を切り開き、表土をまるごと削り取っていくのだからゴルフ場開発など目ではない環境破壊が行われているのだ。
http://www.amakanata.com/2012/10/desmogblog_12.html

そこで、こちらの方がわかり易かろう、と思った、自分でも自信作だ。


そして5日目。
http://sillycaptions.blogspot.jpは、ご覧になった通り、一切合切消えてしまった。
なぜ? Why
特にアダルトな内容もないのに……。

Googleから届いたメールは、これだけだ。
Hello, Your blog at http://sillycaptions.blogspot.com/ has been reviewed and confirmed as in violation of our Terms of Service for: SPAM. In accordance to these terms, we've removed the blog and the URL is no longer accessible. For more information, please review the following resources: Blogger Terms of Service: http://blogger.com/terms.g Blogger Content Policy: http://blogger.com/go/contentpolicy -The Blogger Team


それだけ。
他の理由は一切なし。


5日目のボケうろ覚えだが(キャッシュが残っていないので確かめられない)、
http://bokete.jp/odai/126309
のお題についた
「うるせーババア!だから、初めてのお客様ドモホルンリンクルは売れねえって何度も言ってんだろ!」

「Shut up! We, Am*y, couldn't sell you our goods if you brought your friends to our company!」
と訳したものだったはずだ。


ドモホルンリンクルじゃ海外ではわかるまい。
ア*ウェイだったら、海外でもネットワークビジネスというそ手法に批判が集まっているので、共感してもらえるだろう。
企業名を出すといろいろとはばかれるので、一部伏字にすれば大丈夫だろう……。
その目論見が、みごとはずれた。


株式会社オモロキ(ボケての運営会社から、抗議が来たなら、あきらめましょう。
このエントリー自体、はてな匿名ダイアリーからします。
でもね、まだページビューは50人程度。ほとんど注目されていないのを株式会社オモロキがわざわざみつけて、抗議してきたとは考えられない。


だとすると、Googleが主体的に消したのだろう。
Google機械的に作業を行なっているはずだから、一企業に対して批判的なコメントを書けば、ブログ自体を削除するような、そんなプログラムを仕込んでいた、ということか?
Googleは、ア*ウェイのようなお得意さんから批判が届いたら、あっという間にブログ自体を消してしまうのか。
日本SNSだったら、普通は、メールで詳しい理由をちゃんと説明し、該当記事の削除を要請し、従わないならば削除する、というステップを踏む。
そんなこともなく、一方的に削除して、後は口を拭っておしまい
それがGoogleという会社のやり口だった。
企業アカウンタビリティーもへったくれもありゃしない。


先日『スタンフォード自分を変える教室』という書籍を読んだ。
面白かったのが、
自分たちは良いことをした、と満足する人間は、そのあと、ちょっとくらいは悪いことをしてもいいとか、自分には悪いことをする権利ライセンス)がある、などと思い違いをしてしまう」
という記述だ。


ご存知の通り、Googleには「邪悪にならない」をモットーに掲げているけれども、彼らがそれを大声で提唱するうちに、この手の雑なユーザーの取り扱いが慢性的になっているんじゃないだろうか。
そりゃ、オモロキに許諾を得ていない、「ボケて」に転載されている写真のもの著作権があるのかどうかを確認していないなど、突っ込めば問題はいろいろ出てくるだろう。
しかし、規制のゆるいネットでも、最低これだけは抑えるべきなライン、人種差別ホームページパクリをしたわけでもないのに、これはどういう訳だろう?
私の上記のブログがどういう過ちをしたのかさっぱり分からない。
いきなり何の通告もなく一切合切削除する理由が、まったく分からない。
ネットでの不文律を、私が犯したとは到底、思えないのだ。


唖然とすると同時に、怒りがこみ上げてきている。
Bloggerを使ってブログを書いている方はご用心を。

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