2012-10-07

パワハラと戦うことは、そんなに難しい事じゃなかった。

書こうと思ったきっかけはコレ。

頓智ドット退職した|@suniのブログニートですが?」

http://sunikang.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

逃げろ、そして生き延びろ|インターネット備忘録

http://d.hatena.ne.jp/hase0831/20121002

読んでいて胸が苦しくなった。

文章の奥底に、大きな”無力感”を感じるからだ。

僕もそうだった。

「頑張って結果を出せば、なんとかなる。」

「少しずつは、良くなっていくはずだ。」

少なくとも僕はそう思っていた時期があった。

でも、物事は決して良くはならなかった。

そして今ならハッキリとわかるけど、そんなところにいても絶対に良くなんかならない。

絶対。

2つめのリンクの人は、”逃げること、生き延びること”を勧めている。

確かにそれは大事だ。

生きてるだけで丸儲けなんだから

精神的にも、肉体的にも健全であれば、何度だってリトライできるんだから

まり気負わずに無理だったら逃げ出そう。

賛成。

逃げ道を確保した上で、もう一回自分のいる(いた)立場を見返してみよう。

本当に自分の成果は公平に評価されていただろうか?

不当に利用されていなかっただろうか?

誰かの純粋な悪意によって、自分は貶められてはいなかっただろうか?

頑張る事と結果を出す事は表裏一体だし、ある程度のプレッシャーは良い成果を生む事につながる。

難しいのは線引きだ。

けれど、僕は僕の拙い経験上大抵はこう言えることに気がついた。

あなたボロボロになるまで頑張っているその背後には、

あなたボロボロになる事なんて屁とも思わず

自分利益のために他人を利用している奴がいる。」

ということ。

僕はこういう人が心底憎い。

あなたが逃げ出したとして、こういう人にはダメージゼロで”だらしない”くらいにしか思わない。

また新たなターゲットを見つけて、無理を言う。

新たなターゲットになった人は、ボロボロになるまでなるまで頑張るだろう。

自分に課せられた仕事意味必死に考えるかもしれない。

でもそこには意味なんて無い。

理屈なんて通らない。

無理って理屈が無いって書くしね。

から、戦える人は戦おう。

シンジ君じゃないけど、逃げちゃダメだ。(戦える人は、ね。)

戦える人がハッキリとNOという事で、少しくらいは社会を変えていけるかもしれない。

僕の場合の話をする。

ある日僕は、溜まりに溜まった残業代パワハラ慰謝料をセットにして、内容証明社長会社宛に送りつけた。

2年間で4000時間近く溜まった残業代1000万円に届きそうだったし、パワハラ適当100万円くらいにして出した。

お金にすると、はるかに悔しい思いをしたパワハラよりも、残業代の方が金額として飛び抜けているが、

これは弁護士に言わせればそういうものらしい。

証拠に対して時間的に計算がしやす残業代に比べ、パワハラはいったいその損害がいくらかなのかという事を数値化しづらいらしい。

そういうものかと思った。

けれど、合計1000万というのは自分でもインパクトがあったし、書いてる手は震えていた。

受け取った方だって、突然だったし多少はビックリした事だろう。

内容証明を送りつけてからも、出社し続けた。

パワハラの主犯である社長と、どう考えているのか直接話し合いたいと、代理の役員に何度も話した。

けれど、内容証明を受け取ったその日から社長は忽然と姿を消し、僕が少しでもと期待していた誠意ある対応

諦めて退社するまで二度と姿を表す事はなかった。

から聞いた話では、長期休暇をとってヨーロッパ旅行に行っていたらしい。

もう何も思わなかった。

いや、嘘だな。

話し合いを期待していた僕は、心底下衆野郎だなって思いを再確認した。

退社してから弁護士相談し、各証拠をまとめ訴状を出した。

残業代の証拠は、日報メールPCシャットダウンの履歴を証拠として出した。

残業代を支払わない為に様々な手段を講じられてきたが、

雇用契約の変更を強要、念書を書かされる等)

それらはやはり何の意味もなく、逆に裁判官にとって会社側の心象を悪くするだけとのことだった。

裁判現在も続いているが、残業代についてはほぼほぼこちらの言う通りになるだろう。

パワハラについては、まだまだ地道な言い合いが続く事になる。

パワハラは勝ったとしても良くて10万円くらいでしょうと弁護士に言われているが、

お金はどうでもいい。

間違っていたという事が証明できれば良い。

認められなかったとしても、残業代で数百万くらいはあるだろうからまあよしとする。

ちなみに、今はほとんど弁護士にまかせきりなので、特に苦労もしていない。

とっくに新たな道は歩んでいるし、新しい職場での仲間もできて少しは充実した日々が過ごせている。

訴えられた会社は、元同僚の話によると、僕の訴訟が始まってから急にホワイトカラー会社へと

生まれ変わり、ほとんど全員が定時で帰っているという。

残業代は全て支払われ、過去の分も明らかな未払いは清算され、残業をしすぎると怒られるらしい。

ラッキーだよ。」と笑う元同僚を見ると、自分のやった事は正しかったのかもしれないと少しだけ思う。

弁護士への数十万の着手金さえ用意できれば、裁判はなんて事はなかった。

から、今も苦しんでもがき続けている人がいて、少しでもそういう人の為になればと思って書いた。

2012/10/12 0:47追記-------------------------------------------

なんと、トラックバック先の方からお返事とも言える記事をいただいた。

(非常にうれしかったです。ありがとうございます。)

怒りから根本的解決は生まれない|インターネット備忘録

http://d.hatena.ne.jp/hase0831/comment?date=20121011#c

引用-------------------------------

ただ、その行動を「他の人のためにもなった」とすり替えしまうのは、とても危険だと思うのです。あくまで「自分のため」「自分名誉のため」であるべきで、「残された社員のため」と言い始めた時点で、だんだん目的がズレていくのがわたしは怖いです。

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はい矛盾するかもしれませんが、全くその通りだと思います

僕も今回の裁判では「自分が受けた精神的・肉体的苦痛お金で解決する、100%自分エゴによる自分のためだけの戦い」だと自分に言い聞かせてきたつもりです。

その考えとは別に、「結果として」職場環境改善され、それを聞いてうれしくなってしまったということを書いてしまった次第です。(言い訳になってすみません。。。)

自分以外の誰かのため」と言ってしま危険性は、例えば僕の場合でいうと「お金で解決」という私益のための目的を、「みんなのため」という公益すり替えしまうような場合にあると思います

これでは確かに自分が嘘をついているという点で不正相手に正々堂々と戦う姿では無いと言えます

この記事であくまでも言いたかったことは、かつての自分のように職場で右にも左にもいけず閉塞感を感じている人がもしいるとしたら、逃げることもできるし、戦うこともできるし、

思ってるほどどん詰まりって事はないですよって事でした。

思いがけずいろいろな方に見ていただいたようで、(あのphaさんがツイートしてくれてるのには感動しました。)ブコメもいただき大変感謝です。

皆さん有難うございました。

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