2012-03-14

はてなFacebookにはなれない

http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatena/20120313/1331629384

皆さま、大変申し訳ありません。はてなブックマークボタンで収集される行動情報の外部企業への提供をやめます

ほとんどのユーザが予想していた通りの結論かな、と。

一方で、あくまで可能性としては、公的機関が殴りこんでくるまでガン無視という選択肢もあったわけだ。でも、この件を強く批判しているユーザを含めて、その可能性に言及したユーザほとんど見なかったたように思う。

では、なぜ我々はそれが「ありえない」と思ったのか。

まず、そんなのどう考えてもjkondoキャラじゃない、というのが一つ。もう一つは、「開発側とユーザ側の距離の近さ」をウリにしてやってきた会社がそんなことをやるのは、明らかに自殺行為だということ。

ユーザからフィードバックを得るはてな

そもそも何でそういう社風なんだっけ、ということなのだが、俺は2005年くらいからのユーザなので最初期のことはよく知らない。ただ、基本的には「ユーザと密接な繋がりを持つことで、質の高いフィードバックを得て、それをサービスへ素早く反映する」という戦略を反映したものだと考えていいだろう。

一時期、予測市場の「はてなアイデア」とかあったけど、結局は「(開発側と繋がりの強い)ヘビーユーザ意見しか採用されない」みたいな不満が出ていたと記憶している。

何はともあれ、ユーザが出す意見」をフィードバックとして受け取って、それをサービス改善に生かすというスタイルなのは間違いない。

ユーザの行動履歴からフィードバックを得るFacebook

一方で、Facebook。先日、IPO申請の時に提出したザッカーバーグ手紙が話題になったが、その中にこういう一節があったのを覚えているだろうか。

http://techse7en.com/archives/3824847.html

ハッカーはすぐに全てを良くしようとするよりはむしろ素早くリリースしたり、より小さな反復から学ぶことによって長期的に最高のサービスを作ろうとします。このことをサポートするために、我々は与えられた時間で何千というバージョンFacebookを試すことのできる構造を作り出しました。我々は社内の壁に「完璧を目指すよりまず終わらせろ - Done is better than perfect -」と書いて仕事に取り組んでいます

何を言っているのかというと、開発者が新しく開発した色々なバージョンFacebookを、本番環境上で「自分の開発チームだけ」とか「特定属性ユーザだけ」とか範囲を限定して公開する、なんてことができてしまうらしい(詳しくはこのへんとか見てくれ)。

では、彼らはそんなリッチな開発環境で何をやっているのか。一言で言うと、仮説・実験検証を延々とやっているんだそうだ。

まりFacebookで新しい機能やらUIやらを開発するときは、技術屋が仮説を元にいろんなバリエーションを実装して、実際にユーザに使わせて行動ログを取り、それを統計屋が分析して開発にフィードバックし…ということをとにかくやり続けると。

ユーザコミュニティとの関係性

ここでのポイントは、どちらも「ユーザからフィードバックを得てサービスを洗練していく」というサイクルは同じだけど、Facebookが見ているのは「意見」ではなく「行動履歴」だということ。実に対称的だ。

この点について意地の悪い見方をすれば、「あくまでサービス満足度を高めることにさえ注力していれば、ユーザコミュニティとの関係にはそこまで気を使わなくてもいい」と解釈することもできる。実際、Facebookで「サービスに物言う存在としてのユーザコミュニティ」とか存在感皆無だよね。

そんなわけで、両社の開発体制や技術水準(と言ってしまおう)の違いが、ユーザコミュニティとの関係性とか、サービスとして現実的に取り得る選択肢の差として表れている、ということは言えるんじゃないだろうか。

第四のビジネスモデル、再び

昨日も書いたけど、収益化に成功しているコンシューマ向けネットサービスビジネスモデルは、大抵は「ターゲティング広告」「ユーザ行動解析」「ガチャ」のどれかになってしまう。ユーザコミュニティとの関係性を視野に入れると、どれも非常にセンシティブ選択肢ばかりだ。

そんなわけで、上で書いたことを考え合わせると、はてなFacebookの真似事をするのは、実に色々な意味無理ゲーだと言わざるを得ない。

やはり、クリーン()で収益性のある第四のビジネスモデルに活路を求めるしかない、のだろうか。だが、正直、俺には皆目見当が付かん。今だとゲーミフィケーションとかか?

まぁ、昨日も書いたけど、俺ははてなという会社には10年後も残っていて欲しいので、なんとか活路を見出して欲しい次第であります

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  • 書き直したって、いいんだよ

    http://www.yamdas.org/column/technique/hatenablog.html  なお、タイトルに PART I とあるが、このネーミングはメル・ブルックスの『珍説世界史 PART I』にちなんだもので、PART II 以降は存在しない。...

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