2011-10-28

平成23年10月28日

匿名であってもこんな事を書くのは恥ずかしいが、自分にとってとても大きな事件だったし、

はてな匿名ダイアリーは恥ずかしい文章ばかりだし、何より思いを外に吐き出したいので書く。

■今年の4月頃、何の気は無しに昔の同級生名前

何人分かインターネット上で検索してみたら一人の元同級生ブログが見付かった。

12年振りに見た同級生の顔はえらい老けていて驚いたが、

それでも確かに中学生当時の可愛い顔を成長させた様な可愛いらしさが有った。

その人は家柄と経歴と育ちがまず凄い。祖父の代から家族全員が音楽好きで、女子出身音大大学院を出て、

普段はフルート奏者だが男子校でのフルート講師や絵のモデルをやっている。

しかも一日12時間フルートの練習をこなす事もあり、人柄もキャピキャピした派手さが無く

犬好きで犬を見かけるとつい撫でてしまう、というぶりっ子と言われかねない可愛らしさを自然体で有している。

家の写真フルートを有したり音大大学院に進む点から富裕層である事が伺える。

『何だよこの化物じみた完成度。誰が作者の漫画の登場人物なんだよ。男子生徒はこの先生に絶対惚れるだろ』

突っ込みを入れたくなる。

正に物語に出てくる様なお嬢様のもので、ブログを読み進めていく内に俺はうっかり惚れてしまった。

中学校時代可愛い女子生徒だな程度にしか思っていなかったのだが、

まさかこんなに漫画みたいな人だとは、俺が今になってこんな形で惚れる事になるとは思いも寄らなかった。

それからは、我乍らストーカーの様だと思いつつ、

ブログを読んで情報を得てはその人が自分彼女になった妄想をする様になった。

街に出ても、今擦れ違ったのはあの人かも、公園に行けばあの人に会えるかも、と想ったり、

今迄していた自分金持ち成る妄想にその人を嫁として組み込んで、

嫉妬したり相思相愛になったり盲目的に恋したり離婚したり死に別れたりと

様々な妄想毎日半年近く続けて日々を充実させていた。

危ない。このままじゃいずれ現実妄想の区別が付かなくなって本当にストーカーになりかねない、

自分でも怖気づく時が有る位空想上の彼女の虜になっていた。

■ところが今日、その人のブログを久し振りに見たら入籍の報告が書いてあった。

妄想の源泉が尽きてしまった。それも一番起きて欲しくなかった抗い様の無いはっきりした形で。

絵に描いた餅が破れた。砂絵が掻き消された気分だ。

まりに早過ぎる。せめて後半年位は僅かな希望を、夢に浸らせて欲しかった。

現実的に考えれば自分とその人が結婚に至る事はまず無いし、

可愛い子なんだから彼氏が居ても不思議ではないなと思っていたのだがそれでも悔しい。

まさかこんな事がという信じられない気持ちだ。残念だし間違いであって欲しいと思う。

なんでよりにもよって俺が好きになったこの人なんだと。

ブログに2~3度書かれた結婚への憧れも彼氏を前提にしたものだったのか。

300本近くの記事に彼氏を匂わせる文章は一つも無かったから、単なる遠い憧れとして捉えているのだと思っていた。

■これからはどうしよう。こんな事実を知ってしまっては妄想を楽しむ気も起きない。

お近付きに成る為にその子が使っているフェイスブック

俺も使い始めようかと考えていたがその必要も無くなってしまった。

何をどうしよう。心の宛て所を見失ってしまった。

平成23年10月30日

 その人の名前検索すると検索結果の一番に入籍の報告が出ていて心が痛い。「いいよ、もう知ってるから出さないでよ」と思ってしまう。

結婚相談所広告も見る度に入籍の話を思い出して憎い。地震後に彼氏との結婚を考える女性が増えた、という報道も今思い返せば憎い。

地震さえなければ入籍なんか無かったのか、一縷の望みが消えなかったのか、と考えてしまう。

 ただ、その結婚相手が自分以外の中学校同級生でなかったのは微かな救いだった。

若しそうだとしたら折角の機会を無駄にしたという理由で後悔はより強くなっていたから、そうでないのは良かった。

 よくよく考えれば、漫画に出て来る様なしっかりした人なんだから婚期を無為に伸ばしたりせずちゃんと人生設計を立てて

20代の内に結婚をするのは当然か。寧ろ賢いというべきだ。

職業柄いつもドレスを着ているし結婚式への参加も多いが、ウェディングドレスに新鮮味を感じたりするんだろうか。俺が着せてあげたかった。

 もうすぐ誕生日だが、実家で過ごす最後誕生日になるかも知れないか彼氏家族と何か特別なお祝いをするんだろうか。

 何故か一度書かれた同い年の従姉妹結婚式についての記事が消されている。

■この人はフルートを各地で演奏している。

ブログは個人的な日記ではなくファンの閲覧を前提しており、記事も仕事絡みが大半で私的な内容は少ない。

固定ファンが記事のほぼ全てにコメントを付けているしつまらないコメントであれ返信も細目に行い欠かしていない。

どう考えても一般人ではなく小さなアイドルとしてのブログだと言った方が正しい。

俺は『立派な元同級生』に惚れたつもりだったが、その実単に『アイドル』に惚れてしまっていたのだろうか。

いやしかし、ブログという文字情報仕事としての振る舞いを理由に惚れるのも含めて恋愛と呼ぶ気もする。

■俺の記憶に有るあの人の声と笑顔を独り占めさせて貰えるのも、

何か小さな冗談を言い合ったりふざけてじゃれあったり愛だ好きだを語ったり

二人の人生について悩み合ったり頼ったりする相手、『人生の伴侶』も決して俺ではなく彼氏なんだろう。

俺には何の相談も無しに大切な事を決定し、どんどん幸せになっていき、勝手自分人生を生きて満喫するんだろう。

俺はといえば、これからも何か有る度にこの人の事を思い出してブログを読んでみては、

旦那との日常妊娠出産子供の成長話やこの人自身の立身出世振りにやきもきして自分自分を苦しめるんだろうか。

俺の存在なんかは当然その人の人生に掠りもしないんだろうな。

そういえば、俺の誕生日に書かれたブログ記事には当たり前だが何も特別な事は書かれていなかった。こんな事がいちいち空しい。

嫌われたり疎まれても構わないからこの思いの一片でもあの人に伝わって欲しい。

平成23年11月2日

今日ブログを全部読み終わったらあの人の家の凡その位置が分かってしまった。

中学校同級生から同じ学区の範囲内に住んでいるのは当たり前だが、憧れの人がこんな近くに住んでいたとは思っていなかった。

グーグルストリートビューで自宅写真を探すが見付からなかった。

平成23年11月3日

久し振りに大きな地震が起きた。あの人もこの地震に揺られたのだろうか。

同じ体験が出来たと思うとこんな事でも嬉しいが、こういう共通体験を話し合う機会は一生無いのだと思うと虚ろな気分になる。

平成23年11月7日

あの人の自宅が在りそうだと目星をつけた所を周る。いよいよストーカーの様になってしまっているが、

この辺りには別の理由で一度来てみようと思っていたのでそれを自分への言い訳にする。

それにしても、あの人は果たしてこんな所に住んでいたのか。

あの人と同じ体験を僅かでも積み重ねられてより理解を深められた事は何となく嬉しいが、

市内にこんな所が在ったのか、という驚きの方があの人への興味を上回ってしまう。

平成23年11月9日

あの人の誕生日だ。今日も自宅の在りそうな周辺を周るが、全く見付けられない事もあって公園で遊んでいる方が楽しい

平成23年11月10日

あちこちに普段しない遠出をした事も働いてか、漸く最近になってあの人への思いが薄くなってきた。

恋人が居ないという事は妄想上の恋人であっても寂しいが、やっと恋人妄想をする以前の状態を思い出してきた。

もう『他人』なのだから普通に適当幸せになればいいんじゃないか、という他人事な投げ遣りな気持ちであの人の事を考えたりする。

平成23年11月13日

あの人のブログ更新分を読むと、入籍した前後に既に引っ越していたらしい。

自宅の近所をうろついて擦れ違う事が出来れば、一目見る事が出来れば、と思っていたがブログを読み終わるのが遅過ぎた。

もう完全に機を逃した。一生擦れ違いもしないだろう。

結婚式今日行われるらしい。何の問題すら無く順調に準備が進んでいる。

俺と彼女の無縁っぷりに改めて感心するばかり。俺の悩みは何の障害にもならずにスイスイ自分の道を進んで行っている。

俺の存在に気付いてもらうにはもう超自然的な何かに祈る他無いな。

 妄想の中のあの人は俺の子供を二人産んでいつまでも若々しいままでよく俺を叱ってくれた筈だが、

そんな昔の出来事を思い返して現実比較してどうのこうの考えると、馬鹿らしい上に自分が辛い。

 数年内には子供が産まれるのだろう。彼氏名字を冠した子供が。俺の知らないどこかの土地幸せ子育てをするんだろう。

その頃にはもう未練なんて無くなっているだろうが、自分が置いて行かれている気持ちを味わう様な気がする。

平成23年11月14日

もう結婚式を終えて初夜を迎えたんだろうか。二人で裸で抱き合ったまま寝たんだろうか。我乍ら気持ち悪いがつい考えてしまう。

もう名字も変わっている筈だ。妄想しようにもあの人の名前すら不明になってしまった。

次の22日は『いい夫婦の日』だ。実際いい夫婦になるんだろう。

次のクリスマスはやっぱり仕事なんだろうか。それとも新しい家族の為に休むのだろうか。

消し切れない雑多な思いを書き出す事で何とか解消したい。

平成23年11月16日

13時頃あの人の自宅が隣に在るらしい公園に行くと、真っ赤な晴れ着姿の女と袴姿の男がカメラマン撮影されていた。

まさかあの人なのか、と思って顔を確認するとあの人よりも若い20代前半の全然違う顔の女性だった。

あの人と擦れ違える可能性は無くなった訳だし、もうこの公園に来るのは暫く止めよう。

 あの人は大阪結婚式を挙げて今は海外新婚旅行中らしい。結婚式写真を見るととても様になっていて嫉妬も何も湧かない。

ブーケも投げたらしい。本当に出来の良い人だ。

平成245月27日

秋葉原で二人組の男女と擦れ違う。何の感想も抱く必要も無い筈だが、つい、ひょっとしたらあの人か、と考えてしまう。

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