2011-08-06

ウェブ業界人材が余っていて人材が不足している

ある企業サイト作成に関わっていた。サイト真剣に向き合いながら、一度決めたことをひっくり返すようなことは言わない、よいクライアントだった。

作成に関わったので贔屓目もあるかも知れないが、よくできたサイトだった。好みの違いはあっても、誰に見せても「合格」をもらえるデザインだったと思う。

作ってから何度か改修があり、若干テイストが変わることもあったが、一貫して企業サイトとして恥ずかしくないデザインだった。改修のたび、担当ディレクターデザイナー愛情を持って頑張っているんだな、と思っていた。

そのサイトのトップがまた改修した。

ダサい配色、適当グラデーション + 角丸 + ドロップシャドウ、カーニングが調整されていない文字……。

素人のようなデザインだった。

これでクライアントのOKが出たことに驚いた。と同時に、それを提出したディレクターが許せなかった。それ以上に、これでデザイナーとして報酬を受け取っている存在がいることが許せなかった。どうしてこうなったのかと問い詰めたかったが、私はそのサイト担当者でも、担当者上司でも先輩でもない。クライアントが、担当ディレクターが、OKを出したものに口を挟む権限はなかった。強い憤りをこらえるしかなかった。

社内にもデザイナーはいるが、そのサイトデザイン作成したときからずっと外部の人間担当していた。今まで担当していたデザイナー会社を辞めていた。本当に、よいデザインをするデザイナーだった。

弊社にはデザイナーが少ない。ディレクターも少ない。頭数はいる。稼動が空いているデザイナーはいる。重役出勤・定時退社のディレクターもいる。噂で聞いたところ「こんな会社なら絶対に辞めない」らしい。なにも考えずにミスばかりして仕事を増やすディレクターもいる。その一方で、スキルが高いのに仕事を詰め込まれて昼飯も取れず休日仕事をしているディレクターがいる。人材は常に不足していて、案件は特定の人に偏る。偏りを減らすべく、社内勉強会は定期的に行っている。スキルには多少の差がある。しかし、意識には愕然とするほどの差がある。

本屋に行ったら、PhotoshopHTMLの棚の前で二人組みの女が話していた。

「floatってなに? あんまり使わないほうがいいんだよね?」「clearfixっていうのを使えばいいらしいよ」

10日で出来るのって絶対無理だよねー」「無理無理ー」

デザインセンスほしいなー」「まだ25でしょ? 大丈夫だよー。なんか本見て適当にさー」

――ウェブ業界に興味がある人は充分だ。充分に足りているんだ。上司・先輩は、連日仕事の合間を縫って正社員派遣社員面接を行っている。絶え間なく応募は来るが、採用にいたる人は少ない。頭数はいるが、人はいない。ウェブがそういう業界なのか、それともそういう社会なのか。それとも会社のなにかがうまくいっていないのか。今日風呂に入りながら社内勉強会ですることを考え、移動の合間にマネジメントの本を読む。

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