2011-07-30

これまでの治水の成果が出ている

こんにちはこんにちは増田です

最初に言いたいことは、これだけの雨が降ったにもかかわらず、これまでの治水の成果が出ていると思ったの。

NHKのヘリの中継で新潟洪水の様子を目の当たりにした人も多いと思うが、アナウンサーの人と河川事務所の人の会話が咬み合っていなかったので、少し補足しておきたいんだよね。

堤防

 100年に一度、200年に一度とだんだん洪水の想定規模がおおきくなっていって、今は、3階建の建物くらいの高さがある。堤防の上の道路を走っていると2階建ての家の屋根よりも高いところを走る。

 堤防の内側は、河川敷だ。堤防の内側の農地は、「何でそこに農地があるの」ってことになるのかもしれない。河川事務所の人も答えにくい質問だ。ちょっとおじさんがかわいそうだった。

堤防の上の車

 低いところに駐車場をもっている人は、緊急時には、あらかじめ高いところ車を避難させるよね。よく水が上がる地域の人は何とかなる場所を知っています

沈んでいるように見える橋

 普段、河道となっている部分にしか橋がかかっていない橋が幾つかある。残念ながら、橋をかけたとき予算が足りなくて、堤防から堤防まで橋がかけられなかったところだ。この手の橋を渡るには、3階建ての高さの堤防を登って、一度、河川敷に降りて、橋の部分でもう一度、坂を登るような不思議な作りになっている。なので、洪水の時は、河川敷の部分があらかじめ水に浸かることになっている。

から人が住んでいる土地

 ここは自然堤防といって、その周りの土地よりも1から2メートルだけ高い。治水技術がなかったときの助かるための手段だけあって、安全性は高い。川沿いの昔からある家には、2階に避難用の小舟があったりする。

余録

ここから先はおまけです

新潟」という言葉が与える印象について。新潟県は北から南まで北陸3県分の規模がある。関東で言えば、小田原から宇都宮までくらいの広さがある。大きい範囲の一部分のことだということをまず捉えていただきたい。

で、次に新潟市無駄にでかい。田園地帯を広域合併してしまったので、密度は薄いが面積だけはでかい。端っこから端っこまで車で2時間はかかる。そいう規模だ。なので、晴れて道路が乾いているところもあれば、水が溢れそうなところもある。

日本最大の干拓地

越後平野は、日本最大の干拓地だ。もともとは広大な潟湖で、いわば沼だ。強いて言えば、オランダと同じようなもので、海抜は極めて低く、各地の排水機場で必死に水を排水している。県内では柏崎刈羽原発の次にしっかりと警備をしないといけない場所だ。

もともと何の手も打たずに安全な場所は越後平野の中では少ないと認識しておく必要がある。

流路の大幅な変更

日本有数の信濃川阿賀野川の2つの大河は、幾つかの工事によって、かなり治水された。これらの工事をしていなければ、今回の豪雨新潟平野中が水浸しだっただろう。

大河分水

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E6%B4%A5%E5%88%86%E6%B0%B4

http://www.hrr.mlit.go.jp/shinano/ohkouzu/

信濃川長岡の先で、海に水を流して、下流を守る分水路がある。大正11年に完成。堰のデザインクラシカルだ。日本パナマ運河とも言われた大工事だった。

ここで、かなりの量の水は海へ排水される。

関屋分水

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E5%B1%8B%E5%88%86%E6%B0%B4

新潟市市街地ショートカットする分水路。市街地への水量を減らせるようになった。

松ヶ崎開削、津島屋出州掘割開削

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E8%B3%80%E9%87%8E%E5%B7%9D

阿賀野川の流路も江戸時代の終わりには海へショートカットされるように直された。

この流路の変更の前は、信濃川と同じ地点に河口があった。

支流河川

加茂川、能代

 この2つの川は昔からのあばれ川だったので、大幅に人口河川化された。治水事業の実施後の洪水はない。

五十嵐川、刈谷田川

 この2つは、運良く洪水にならなかった。そのため、派手な治水事業が行われず、7年前の大雨のときにはじめて問題が顕在化した。この7年の間に堤防は大幅にパワーアップしている。

ここまで読んでいただきありがとうございます。これ以上、被害がでないことを願います。それじゃ。

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