俺の職場は山の上の方にある。
車で通勤している俺がいつも使っている道は車一台通るのがやっとというほど狭く、山の斜面に沿って作られた道なのにガードレールが無い場所も多くて、気を付けないと大事故になりかねない。
他の道がないわけではないが、このルートが一番時間がかからないのだ。
その日は家を出るのが遅れ、いつもより急いでいた。
幹線道路を抜けて上記の山道の入り口にたどり着いた時点で8時20分。いつもより5分以上遅い計算で、遅刻を避けるためにはもう時間のロスは許されない。
対向車がないことを祈りながら、狭く、勾配もきついその道を登っていたが、こんな時に限って対向車に出会ってしまう。しかも業務用のトラック。これだけの大きさの車が相手だとすれ違うことのできるポイントは少なく、ここからだとかなり後ろに下がらなければならない。
「でかい車でこんな道を通るんじゃねえ!」
悪態を突きながらも渋々バックする俺。気持ち的には一秒だって惜しいのに。
ガードレールがなくて崖際まで寄れるようになっている場所まで下がって対向車がをやり過ごし、お礼のクラクションにも返事をせず、すぐにいつもより強くアクセルを踏み込む。
職場までの残り距離を自己ベストのタイムで走り抜ける気だったが、しかしその気持ちとは逆に、車は猛烈な勢いで後ろ向きに動き出した。
元々崖際で停まっていた車は、ブレーキを踏み暇もなく崖を転がり落ちる。
回転しながら落下する車内に鳴り響く警告音。ああ、これはバックギアに入れたときに鳴る音だ。どうやらギアをドライブに入れ直すのを忘れていたみたいだ。普段はこんな失敗しないのに、時間がなくて焦っていたんだなぁ。これからは時間に余裕を持って運転しよう。
こうして、俺は短い一生を終えた。
読みやすい文章だ。 今度はできればナポリタンで頼む。
汚れた英雄の北野昌夫の最期みたいだな あれはエロかった。よく抜いたよ