2011-05-02

キャリア官僚に苦言を呈することが出来ない

29年来の、中学からの友人で某省のキャリア官僚がいる。

彼は今をときめく民主党幹部E氏とは新人議員時代から親交を築き、

あるいは小党党首M氏とは大学時代からの子弟関係で、

その他現役政治家多数とコネクションがある。

そのような彼なので、福島の惨状、特に福島児童差し迫った危機について、

政府部内(文部科学省)に再考を促すように進言したいのであるが、

彼自身、本当に「安全」だと信じ切っていて疑っていない。

マスコミに散々追いかけられて来た過去トラウマからなのか、

政府公式見解が絶対、マスコミ誤報だらけでいいかげん」という先入観が強い。

うっかり「今からでも20ミリシーベルトを再検討すべきだ」と進言すると、

長年の友情が瓦解しかねないので、どうしても彼に苦言を呈することが出来ない。

本当は自分の友情云々よりも福島児童の安全を優先すべきなので、

その点では「卑怯者」という自分への批判は全くもって当然であり、返す言葉はない。

ただ、感じるのは、彼は結婚はしているが子供はいないし、今後も作るつもりもないという。

なので、幼児持ちの自分と、子無しの彼とでは、「原発への安全係数が違ってくる」、

これは致し方ないのかもしれない。

本当は子有りのキャリア官僚に知己があればいいのだが、そこまで親しい友人はいない。

先日もこんなことがあった。

原発について「煽るな」「そんなに危なくない」と報じている某週刊誌記者と、

彼の紹介で飲む機会が出来た。

彼はその記者のことを事前にこう紹介していた。

「この記者原発についてはド素人で、なのでゼロから原発を取材したから

 この雑誌社の記事は極めて客観的になっているんだ」、と。

しかし、自分は思うところがあったので、その記者に面会するやいなや、こう切り出した

「貴社の原発報道スタンス、あれは他誌が反原発に走ると睨んで、あえて逆張りに走っている、

 一種のポジショントークでしょ?」

そうするとその記者は悪びれずに「あはは・・・ばれちゃいましたか」とあっさり白状した

そう記者が白状したときの、彼の苦虫を潰したような顔を忘れない。

雑誌社の「ポジショントーク」を見破れない見破れない官僚って、相当ナイーブ過ぎるんだが、

それとも「役所発表は絶対」という原理主義世界観が、認知的不協和(=見たくないものは見えないことにする)を

引き起こすのか?

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