2011-03-27

エヴァンゲリオンは、福島原発事故の預言の書?!

時に、一流のクリエイターは、神からメッセージを受けた預言者のように、未来を見通し、作品とすることがある。

そして、人々はその作品の作画が多少ひどくとも、あまりに前衛的であろうとも、何故か知らずにその作品に熱狂し、支持をする。

後になって、その作品は「時代を先取りしていた」と称されることとなる。

新世紀エヴァンゲリオン』というそもそもの名称が、暗示的だった。

その意味は「福音」であり、まさに「神から預げられた」知らせのことを意味している。

そのストーリーは、現在福島原発で起こっている事故を、まるで予言しているようにも思える。

東北地方太平洋沖地震の時、福島第一原子力発電所(以下福島原発)の6基の原発のうち、なぜか稼動していたのは1号機から3号機のみ。

これは、世界に13号機まで存在しながらも、番組最初の頃は零号機、初号機、弐号機の3機だけが使徒と交戦していたエヴァンゲリオンと同じである

(『エヴァンゲリオン』の世界には、エヴァ世界中に「13」号機まで存在している。これは福島原発にあった「13」機の非常用ディーゼル発電機対応している)

エヴァンゲリオン』では、シンジの乗った初号機が常に危険にさらされる。

福島原発でも、一番最初事故を起こしたのは1号機であり、今も予断を許さない状態にある。

しかし、零号機から弐号機までが番組終盤近くまで生き残る中、最初に損傷したのは、トウジの乗った3号機だった。

現在福島原発では、3号機が黒煙を上げて爆発した後、最も危険な状態にあり、その損傷もまた、最も激しいレベルとなっている。

福島原発の2号機は、6機の原発のうち、圧力抑制室が損傷し、格納容器が唯一損傷した可能性のある軀体だ。

心の内側が大きく壊れ、精神を統御できなくなったアスカの弐号機に、その様相はそっくりではないか

ヤシマ作戦」は、震災当初の人々の大規模節電への協力の合い言葉となったけれども、これなぞはまさに予言の実現であり、現実物語に追いついた一つの証明でもあった。

エヴァ』の中では「停電」という現象が、物語の中で大きな意味を持つ。

電気があるのが日常なら、停電非常事態を表すキーワードとして、停電のシーンが何度か出てくるのを覚えている人も多いはずだ。

たとえば第拾壱話のネルフ本部の大停電などもそうだが、今回の震災でも、停電によって、東京の住民が被災地へと思いを馳せているではないか

ただ、もしも『エヴァンゲリオン』が預言の書だとしたら、『エヴァ』の中で最も重要意味を持つ零号機は、今回の災害の何に当てはまるというのか。

そもそも福島原発には0号機と呼ばれるものはない。

実は、第伍話によって、ようやく零号機の事故の概要が明かされる『エヴァ』と同様に、今回の被災の前触れともいうべき事故存在したことが、後になって人々の間に広まりつつある。

高速増殖炉もんじゅ」の悲惨な事故だ。

もんじゅ」は、今回の震災とは全く無関係に、昨年の夏、3.3トンの炉内中継装置が増殖炉に落下して突き刺さったまま、にっちもさっちいかない状態となっていたのである

毎年500億円をかけながら、地震がないことをひたすら祈りつつ、数十年の間、冷却を待たなければならない状態に、「もんじゅ」は陥っていたのだ。

24回にも及ぶ中継装置の回収は全て失敗。

まるでロンギヌスの槍のように、炉心に突き刺さり、抜くことも固めてしまうこともできない。

そして、今の福島原発以上に臨界事故を起こしやすい状態だという。

もんじゅ」の責任者である燃料環境課長は、その苦悩のため、福井県敦賀市山中において、先月の14日、自殺

遺体発見された。


映画版エヴァ』の中では、零号機の搭乗者であるレイ世界中を覆い尽くし、滅ぼす。

果たして、現実は……

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