2011-03-22

東大教養時代に受けた原子力概論だったかの授業の思い出

今回の原発事故を見ていて、ひとつ思い出したことがある。

10年くらい前の東大教養時代に原子力についての講義を受けた。

講義名は原子力概論だっただろうか。


当時の私は部活だけに励む典型的落ちこぼれ東大生だった。

東大生は2年の終わりに進学振り分けなるものがあり、それまでの成績で進学先が振り分けられる。

人気の学科に行こうと思うなら、単位を揃えるだけでなく、その単位を高得点にする必要がある。

めざす学科もないが、漠然した点数を上げなくてはというプレッシャーに追われる日々だった。


私が進路に関係ないであろう原子力についての講義を受けたのは、そのせいだ。

東海村に行き、何時間かの講義を受けるだけで簡単に高得点がとれると有名だったからだ。

少しでも点数を上げるのに必死だったのだ。


そんな適当な理由で受けたのだから講義の内容はほとんど覚えていない。

東海村まで出向かなくてはいけないからか、受講人数は少なかった。

ヘルメットかぶり、施設の中を歩いた。

もちろん施設はきれいで塵一つない。

巨大で機械だらけのそこには、科学の粋を集めたようにも見え、ヒューマンエラーなど入り込む隙がないように見えた。


そんな機械の前で、案内してくれた人はそっと言った。


点数があるなら来るところじゃないよ。

よっぽどの使命感がある人以外には勧められない。

未来のない学問だよ。


どこまで本気かはわからなかった私はあいまいに頷いた。

原子力研究しようと思っていた学生が他にいたかは知らない。


私の時代には、原子力工学システム量子といわれ、人気がなかった。

学振り分けでは、最低点がつかない、いわゆる「底が抜けている」、どんなに点数が低くても必ず行ける学科として有名であった。

今ではシステム創成科とさらに名前を変えているらしい

東大実験炉は廃炉が決まったと聞く。


今でも底は抜けているのだろうか。

今でも講義に来た学生に点数があるなら来るなっていってるんだろうか。

原子力未来ってなんだろうな。

  • 点数があるなら来るところじゃないよ。 よっぽどの使命感がある人以外には勧められない。 未来のない学問だよ。 おそらくそういう意味で「未来のある学問」なんてほぼ無いんじゃ...

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