2010-09-22

尖閣諸島関連の外交問題に対する民主党の反応

尖閣諸島漁船逮捕中国世論の反発がエスカレートしている件について、

中国共産党日本大使館の大使を何度も何度も呼びつけ厳重抗議をしているらしく、かなりお怒りでいらっしゃる。

さて、この件について民主党対応について困惑していらっしゃる方がいるのではないだろうか。

つまり、民主党自民党と違ってかなり中国韓国よりの外交スタンスであるから、まず中国に媚び寄るのではないか、

なぜ民主党政権中国と対立することになっているのだ。わけがわからん

民主党反中国であったのか。まさかそんなわけはない。ガス田の件などではかなり譲歩していたし。

そんな方が多数いるのではないか。そこで僕の稚拙政局分析をここに書きたい。

民主党はなにもしていないだけである。

僕はこれが真実だと思う。

尖閣諸島領有権については一先ず置いておくとして、

海上保安庁の方々からしてみれば、今回のことは(領有権はともかくとして)逮捕は当然のことだ。

だってビデオ撮影してあってどう見てもぶつけられたに決まっている。

ここで逮捕するな、即釈放しろというのは、陸上の警察で言えば

「警邏中の警察官が突然、違法滞在の中国人にブン殴られて、怒り心頭の警察官がその中国人逮捕したらお上から『即釈放しろ』と言われた」

こんな感じなわけで、当然そんなのは受け入れがたい。署のメンツに関わってくるし、そんなのをホイホイ受け入れたら警察官たちは全員やる気をなくしてしまうだろう。

逆に、本当だったら別の違法滞在中国人たちを一斉摘発して報復するような案件である。

「あれで釈放するのだったら、最初から警邏などさせるな!!」という話になる。

海上保安庁からしてみれば、検挙するのは当然だし規定日数を拘留するのも当たり前の対応なのだ。

ではなぜそれが問題化してきたのかと言えば、中国違法操業ではないと主張しているからだ。

自民党時代であれば、ここで(それが良い事なのか悪い事なのかは置いておいて)中国に太いパイプを持った政治家がいて、

その人が中国をなだめすかし、官僚とも深いつながりを持った政治家がいて、海上保安庁の顔も立ててやり、穏便に収まっていたのではないか。

繰り返し言うが、それがいいことなのか悪いことなのかは解らない。「事なかれ主義」という側面もあるし、そういった対応中国をつけあがらせる一因でもあったのだろう。

だが、民主党政権になって政権与党の顔ぶれは一新してしまった、

加えて鳩山内閣時代の無神経な事業仕分けなどもあり、民主党官僚の支持をかなり喪ってしまった。

ここで更に官僚の顔を潰すような真似は管総理もしたくはなかったろう。

官僚の顔を潰して総スカンを喰らってしまえば、今でさえ厳しい政権維持などいよいよままならなくなる。

そもそも、普天間基地の問題すら満足に処理できず、泥沼に引き込んでしまった彼らが、中国を相手に尖閣諸島の領有問題で渡り合えるわけがない。

相手は米国沖縄県民ではなく中国なのだ。民主党はいいかげん、沖縄県民に対して物わかりが悪い連中だと思っているだろうが、中国はその遙か上を行く存在だ。

領有問題で泥沼になってしまったら、下手をすれば紛争だし、失言の一つもしてしまえば言葉尻を取られ、領有権中国側に傾いてしまうこともあり得る。

民主党にはそういった器用な対応はできないのだ。

だが、それを理解できなかったのが、こちらもまた硬直的で頭が固いことに定評がある中国共産党である。

自民党時代は、こういった問題が引き起こされて日本に迷惑をかけてしまっても、事なかれ主義対応が得意の自民党勝手になんとかしてくれたのだ。

自国の警察官僚の顔を立て、外務省連携して中国の顔も立て、事を大げさにしないうちに火消しをしていた。

だから思うさま、中国は声を荒げられた。

しかし政権が変わって、そういった自動的な機能がいつのまにか消滅していた。

恐らくは呼びつけた日本大使も困った顔で抗議を聞くだけだったろう。外務省は独自に政治的判断を下すことはできないのだから。

中国自分の国の世論を一度燃え上がらせてしまったが、いつもどこからか現れる消防車は今回現れなかった。

だが実際に国境紛争を始めてしまうわけにはいかない。

中国経済大系は国内外資が撤退したら即座に経済が破滅してしまうという体質を持っているし、

米・台・印・越・露……、どこも力をつけ始めている国々がおり、そのどれもと深い因縁がある中国にとって

「ロクに下準備もしていないのに、突発的に戦争が起こってしまった」などという事態は最悪なのだ。

尖閣衝突事件 中国報道規制 自国批判への転化警戒?」(http://sankei.jp.msn.com/world/china/100921/chn1009212320007-n1.htm

この記事では中国国内共産党批判が恐ろしくなって報道規制したという分析になっているが、

実際のところは上記に長々と示した下地があり、その結果として「火消し」が必要になったということだと思う。

長々と書いてしまったが以上が僕の分析となる。

ここまで読んでくださった方には感謝を。

  • 領有問題で泥沼になってしまったら、下手をすれば紛争だし、失言の一つもしてしまえば言葉尻を取られ、領有権が中国側に傾いてしまうこともあり得る。 既に蓮舫議員が中国の尖閣...

  • 嘘を書くな。 「中国との領土問題がある」と失言しただけだ。 まあ、失言には違いないが、意味が全く違う。

  • 中国「釈放しろクズ」 民主「じゃあ釈放する」 海保「絶対釈放しません」 民主「じゃあ謝る」 外務省「領有権問題になるからやめよう」 民主「じゃあ謝らない」 中国「どっか譲歩し...

  • 日本の漁船が北方領土付近を泳いでたらロシアに拿捕された、ってのと基本的には同じ感覚で良いはず。 ロシアが採ってる方法と同じことを堂々としてりゃいい。

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