2010-04-02

 明後日日曜日山手線の日。


 毎週の日曜日山手線の日だ。

 そう、決まっている。

 家を出て、自転車こいで駅まで行き、私鉄で都内のターミナル駅まで揺られていく。

 iPodを掛けて、しずかなインストールメンタルや、ポップなジュリー・アンド・マリーや、流行っている洋楽をじっくり聞きながら、車内のひとたちをながめてる。最近は、明るい色の服を着る人が増えてきて、あ、春だ、春なんだって、桜の開花よりはっきり春めいていく、そんな服たちをながめるのが好き。

 終点から、山手線に乗る。

 スイカをピッとすると、なにかわるいことをしている心地になる。

 たった130円で心地のよい移動と、座る席を確保できるのは山手線しかない。

 東京をぐるりと回りながら、ふだん読めていない本を読んで、ふと視線を上げると10分前のひとたちと違うひとたちが目の前にいる。窓の外をみると原宿。そういえば原宿ぽいかも。そんなシャッフルされていく乗客をiPod音楽に乗せてちらりとみて活字に集中すると、自然とつまさきがリズムをきざみはじめる。

 ごきげんだ。

 心地のよいカオスフレッシュ今日が、ポンプみたいに、心臓みたいに、つぎつぎと新鮮な血液を送ってくる。YUKIちゃんでなくても、たのしい歌を歌いたくなる。

 もし、お昼になって降りるならば、上野がいい。

 日曜日やっているおいしいお店はオフィス街にはなくて、上野休日のハイセンスを集めやすい街なので、自然に肥えた舌に鍛え上げられる。なので日曜日ランチ上野が断然オススメ。おいしいタイ料理も、カレーも、パスタも、上野ならば全部そろう。上野の食事はそんなに高くないし。

 みんな上野降りないのかなぁ、もったいないなぁ、お昼時なのに。

 そんなふうに思いながら、山手線を降りる。

 空腹が収まったら、ちょっと彼のことが気になる。

 もう、2時すぎているのに、どうするつもりなのかなあって。

 ここ10ヶ月、彼からの返信はいつもこうだ。

デート約束はしたくない。だって当日に行きたくなくなるかも知れないから。もし行く気になったら連絡するよ」

 だからわたしは、毎週日曜日山手線時間を過ごす。

 ぐるぐるとその路線を回る。

 今週は内回り、今週は外回り

 ミネラルウォーターを買い終わって、先に来た電車で決める。

 それで、お気に入り文庫本を読みふける。

 いつでも彼からの電話があってもいいように。

 東京駅でおかゆを食べて、今週の山手線はこんな物かなと思う。

 中華料理クコの実が大好きで、そこにあわされるごま油がおいしい。健康的だよねと思うのもおこがましくて、ビバ中華! そんなソフトなおいしい夕方にありがと、なのだよね!

 これ、彼にも食べてもらいたいなあ。

 どうしたらいいのだろう?

 成城石井とか、カルディーとかなのかな?

 そうやって、無為な日曜日が過ぎる。

 わたしは文庫本を読んでいただけ。山手線にあなたは来ない。

 つらいなあ。

 どうしたら、いいのだろう?

 今週は南房総をレンタルプリウスドライブですって、言えばいいのかな?

 あなたがいないと、わたしの日曜日空虚なのに。

  • 山手線創作だったらこっちの方が面白い。 増田のは自己がたり過ぎて、いまいち。 まぁ才能の差なんだろーけど http://abecasio.s23.xrea.com/report/archive/r_repo_05_2/5.html

    • リンク先読んだ。 すごい惹きこまれた。面白かった! 増田さんのは才能の差というより、これだけの短文とあれを比べてしまうのが間違いかと。

      • 確かに文章量は全然違うので比較はできないかもしれない。 リンク先の小説は、本当に面白い。 新しい才能の一つとして数えることができるのではないでしょうか。 はてなに匿名日記...

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