2010-02-01

有給セックス

「ねえ、有給休暇とってよ。せめて月に1回か2回くらいでいいから」と、セックスを終えて私の腕の中でまどろんでいる恋人が提案してきた。「セックスのための有給よ。休みをとって、一日中たっぷりセックスを楽しむの」

近ごろは私の会社でもワークライフバランスとか言って、有給休暇を年に○日以上取得するようにと積極的に推奨されている。残業もし過ぎると、人事から注意される仕組みになっていて、労働時間が短くなる傾向に変わってきている。

過労死不安を感じるような残業をさせられたことはないが、入社したころは、「ちょっとやそっとの深夜残業じゃ根を上げるなよ」と暗に上司から圧力を加えられたことがある。私もがむしゃらに働くつもりでいたから、喜んでそうしてきたが、いわゆる社畜の根性により知らず知らずいいように使われてきたと思う。

しかし今では、残業したのに申告しないとか、サービス残業するとかえって咎められる仕組みがルール上もまた職場の雰囲気としてもできあがりつつある。本当は体調のいい日は遅くまで会社に残って、まとめて片付けられると個人的には都合がよいのだが、まあそこそこに切り上げて家でセックスでもしていようか。

彼女の提案があってから、病気旅行のためではなく、ただセックスのためにも有給をときどき取得するようになった。もっとも有給の申請理由に「セックスのためお休みします」とは書かないが。

一日の大半を全裸で過ごし、官能的な言葉を交わしながら、愛欲の海にずぶずぶと溺れている。抱き合いながら、「ねえ、こうしている間もお金が入ってくるのね、フフ」と彼女は笑った。「はしたないことは言うんじゃありません」とたしなめたが、顔を合わせてしゃべる時間も増え、幸福度はいくぶん増えたように感じられる。

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