■こんな人生もある。
結婚に失敗して、残された人生をひとりで生きようと決めていた。
しかし、ひょんな事から再婚の話が持ち込まれた。
見合いして、そのまま結婚となった。
一回り若い気立ての良い嫁をもらった。
そして、気が付いたら3人の子供に恵まれていた。
それが人生の絶頂期だった。
あろうことか、3番めの子供を産んで1年もしないうちに嫁が亡くなった。
それからひとりで乳幼児3人を育てることになった。
それからのことは想像に任せる。
仕事も失った。
バブルがはじけるのと一緒に。
高齢のため新しい仕事は無かった。
失業保険も切れた。
あれから12年の歳月が過ぎた。
子供も大きくなってきた。
子供たちはみんな奨学金で学ばせることにした。
あとは貯蓄の取り崩しと、わずかばかりの年金。
そして、来年から始まる父子家庭への児童扶養手当と子供手当。
これでやっと生きてゆけそうだ。
うれしい。
ただ、生きてゆけることがうれしい。
ツイートシェア