http://help.yahoo.com/l/us/yahoo/geocities/close/
yahoo.comの無料webサービスであるgeocitiesが、2009年10月26日で終了するという話。
web2.0の終了は、1.0に戻るだけだと思っていたのだが、こういう形で反動が来るとは予想していなかった。
表面的には、無料サービスであるGeoCitiesを閉鎖し、有料のYahoo! Web Hostingサービスや、その他の業者のwebサービスに移転してくれという話となっているが、要はお金にならないからである。
geocitiesの無料アカウントは、顧客にwebスペースを貸し出し、そのページにバナー広告を貼り付けることで運営費を稼ぐというビジネスモデルになっていたのだが、そのバナー広告が集まらないし、クリックされないし、売り上げに繋がらない。
ユーザーがブログに移ったり、価値のある情報はIRCやTwitterにあり、オーソドックスなwebには価値が無いという判断が下されるようになったのである。
web2.0には、底辺の拡大という効果が期待できたが、その底辺を支えきれる程、バナー広告は有効ではなかったし、コンテンツの中のほんの一握りの頂点は、バナー広告の無いスペースへと移動してしまっている。無料webサービスに残ったのは、底辺のコンテンツだけとなり、ますます宣伝効果が期待できなくなるのである。
さらに、そういった底辺のコンテンツに対しても、ブログツールを提供しなければならないし、コメントに、ウィルスコードや不適切な表現や画像や動画が貼られないように、定期的に監視してユーザーに注意を促さなければならない。さもないと、バナー広告の出広者の品位を傷つける事になるからである。
それらのコストを考えると、底辺のコンテンツは切り捨てた方が良いという答えにたどり着くのは、合理的と言える。
この動きが、日本の無料webサービスにも波及する可能性は高いと思われる。特に、メールだけでアカウントを出す日本のGeoCitiesのような所は、真っ先に狙われるであろう。匿名掲示板のログや二次創作の小説等が保管されている通称"保管庫"に、重大なダメージが行きそうである。反対に、ISPがADSL契約者等に出しているアカウントは、広告バナーを貼り付けてその収益で運用するというビジネススタイルになっていないし、情報の出し手が料金決済によって特定されているので、トラブルが発生しても管理責任を丸投げできる。また、ツールの提供や監視といったサポートの手間が相対的に低いので、サービスを廃止して得られるメリットは無いという事になる。
あれも出来るこれも出来ると手を広げすぎて、支えきれずに倒れるのを、"商いと屏風は広げすぎると倒れる"と言うが、倒れる際に、周りを巻き込むのはやめてほしい物である。