2009-07-07

パチンコ放火殺人ニュース見て、以前出会った親子のことを思い出

パチンコ放火殺人ニュース見て、以前出会った親子のことを思い出した。

なんとなくモヤモヤした気分になったのでここに書いてみる。

3~4年ほど前になると思うが、本屋から家に帰る途中、前方から車のクラクションがプップーと何回か鳴った。

みるとちいさな子供がひとりで横断歩道を渡ろうとしていた。

だけど、歩行者の方の信号は赤。

おお危ないと思って駆け寄ってその子供の手を引いて一緒に横断歩道を渡った。

子供がいたのでちょっとした渋滞になっていたけど車も子供も、特に何事もなく無事だったのでホッとしていた。

するとその子供が私のほうを向いて

「おかあさん、おらんねん」

と、小さいかわいらしい声で言った。

ありがとうとでも言われるのかと思ったら、いきなりそんな事を言われたので一瞬頭の中が真っ白になった。

サンドウィッチマンネタに出てくる「ちょっと何言ってるかわかんないです」状態。

でも子供は、そんな私の頭の中の状態なんか知るわけないし、相変わらずじっと私の顔を見つめ続けている。

仕方なく話を聞くんだけど子供は3才くらいでどうも会話が噛み合わない。

何とか分かったのは何処かから車に乗ってきたこと。

その車の中でずっとお昼寝をしていたらしいこと。

そのあとなぜか車を降りて一人さまよっていて迷子になったらしいこと。

おかあさん、おらんねんってお母さんとはぐれたのかと理解は出来た。

でも、それだけじゃ母親の居場所が分からないので会話を続けると「チンコヤ」と言うフレーズが出てきた。

またもサンドウィッチマンの「ちょっと何言ってるかわかんないです」状態。

深夜アニメ同人に毒された私の頭の中には、勇ましくそそり立った肉塊のうごめく様子がふわふわ浮かんでは消えていった。

そのあとも何か話したんだけど、ちょっと覚えていない。でも多分そのときの私はちゃんと閃いたのだろう。

チンコヤ」は「パチンコ屋」のことを指していて、この子供は車で母親パチンコ屋に行って車で昼寝したあと抜け出したと。

そのあと子供を近くの駐車場があるパチンコ屋に連れて行った。

パチンコ屋で従業員事情を話すと耳元のマイクみたいなので何人か従業員をよびよせた。

その中のひとりがこの子供のことを知っていると言った。母親もさっき見かけたと言った。

すぐに見つかってよかった、ここじゃなかったら他のパチンコ屋はすぐに思いつかなかっただろうから警察にお世話になるしかなかった。

話を聞くと、どうやらこのパチンコ屋の常連客の子供らしい。

従業員何人かでこの母親を探すというので、見つかるまでの間私と子供はおくの事務所で待っていてくださいとなった。

事件はその直後に起こった。

やたらダンディな従業員に案内され、私と子供が手をつないでついていくと数メートル先のトイレ入り口から若いDQN女が出てきた。

肩まで伸びた髪の毛は金髪と明るい茶色の中間みたいな色で上のほうがが黒いプリン状態、上下灰色のパジャマみたいな服、顔はスッピンで寝起きみたいにはれぼったい目をして眉毛なんかないのでホント麻呂状態。

いかにもパチンコ屋にいそうなDQNですって風貌でちょっと怖かった。

その女が私と子供を見るなり、早足で近づいてきて私の右腕をぐっと掴みひねりあげた。

右手で子供と手をつないでいたので、子供とは手が強制的に離れた。

女は大声で「てめぇ、何してんだよ!!」といって来た。

今日三回目の「ちょっと何言ってるかわかんないです」状態。

私も子供も、数メートル先にいるダンディな従業員ポカーンとしていた。なんというか唐突に変な事態が起こると人って何も出来ないんだなって実感した。

女は続けざまに「おぅら!!なんか言えよゅ!!」と叫んでいた。

私は掴まれた腕を振り払うと、勢いあまって子供の頭に手をぶつけてしまった。子供は泣いてしまった。

その後はなんかよく分からなかった。

子供の泣く様子を見た女は私の胸倉に掴みかかって叫んでくるし、子供は「おがぁおがぁ」と泣き叫んでいるし、やたらダンディな従業員仲裁に入るんだけどちょっと弱腰だし。

騒ぎを聞きつけたほかの従業員が何とか女を引き離してくれたけど、私の腕は女に掴まれたのを振り払うときに女のつめで二箇所ぱっくりと切れてしまっていた。

後から来た従業員が興奮する女をなだめ、私と子供と一緒に奥の事務所に連れて行かれた。

女に従業員が話をすると女はこの子供母親で、私の姿を見て子供誘拐しようとしていると思ったらしい。それで興奮して掴みかかった。

そんな感じのことを言っていた。そのあとなぜかやたら子供に切れていた。「てめぇがうろちょろするから」とか「うるさい、泣くな、黙れ」とかそんなことをずっと言っていた。子供はずっと泣いていた。

少しすると女も落ち着いて、私が誘拐犯ではないとも、子供をここまで案内したことも理解してくれた。

はなしは終わったし子供も泣き止んだ。私の腕の怪我はやたらダンディな従業員が丁寧に消毒し絆創膏を貼ってくれた。

すべて片付いたので私は帰ることにした。女と子供、私とやたらダンディな従業員も一緒に事務所から出た。

そういえば最後まで女の口から子供を送り届けてくれたことへの感謝と、騒ぎつかみ掛かって怪我をさせたことへの謝罪はなかった。

そのあとまた凄いものを見た。

私が店から出ようとすると後ろからパチンコ屋の喧騒にまぎれてバンッ!と音がした。振返るとさっきの女と子供が少しはなれたところでパチンコ台の前に立っていた。

覗いてみると、男がいた。なにか男の叫び声みたいなのが聞こえてくるのと同時に、バンッ!バンッ!とパチンコ台をたたいているようだった。

男は、女の旦那のようだった。女と子供に何か話しかけたと思ったら子供を殴っていた。遠目ではあったけど少なくとも私にはそう見えた。

そしてさらに、思いっきパチンコ台を蹴った。それに続いて女も同じパチンコ台を殴っていた。

従業員が駆け寄ってきたら男、女、子供の三人は一目散に奥の駐車場に通じるほうの出入り口から出て行った。

3~4年ほど前の事なので曖昧な部分もあるんだけど、あのときの感情だけは今でも覚えている。

なんだかとても怖くなった。

あんな人たちに子供を返してしまったのが怖くなったし、あの子供日常的に暴力をうけているんだと考えると怖くなった。

記憶曖昧だけど、あの子供と私の会話の中にお父さんの話は出てこなかったと思う、お父さんの存在が変な形で無視されるような子供の生活を考えると怖くなった。

あの子供はいつか親に殺されてしまってニュースに出るようなことになるんじゃないかと凄くリアル想像できて怖くなった。

この出来事があって以来、パチンコ屋やそこ行く客に対してかなり偏見が出来てしまった。

パチンコ屋の客=駄目な大人、みたいな偏見がかなり強く刷り込まれてしまった。

もちろんそんなのは少数派だとは思うけど、パチンコ屋の前を通るときに見える中の客のDQN率の高さを見てしまうと、ああ、この人たちもあの両親ような人たちなんだろうな。

そしてずっとパチンコをして年をとって時間と金が余っていたら、いまパチンコ屋の前を通るときに見えるあの老人たちのようにただ漫然と流れ続ける玉と派手な電装に人生をつぎ込むんだろうなと思ってしまう。

以上です。

パチンコ屋に放火した犯人がなぜか迷子子供の両親にダブってしまって書きました。

なんだか取り留めもない文章になってしまった。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20090707181111