2009-06-22

会社倒産した

玉砕覚悟でずっとやっていたわけだけど、ついに倒産が決定した。

まあ厳密にはまだ倒産してないな。まだ事実上倒産従業員を全員解雇して事業停止する段階。

あとは債権管理者とかが処理してくれるんだと思う。

事務処理的なことはよく分からないので以下自分の視点で。

私が解雇されるのは月末なので、とりあえず月末まで待って、しばらくしたら監督署の倒産認定処理が終わるだろうから、それから未払賃金の立替払制度の申請をする予定。

笑っちゃうくらい未払いが溜まっているんだけど、立替してもらえるのは過去半年間でかつ8割まで。これは仕方ない。

国の保障制度があるから大丈夫と言われてそのまま鵜呑みにしていたのが悪い。

気付いたのも遅かったけど、じつはあまり期待もしてなかった。

社長は金がないと言ってるけど本当は億単位の隠し財産があるんじゃないかとか色々噂されている。

でも本当にあったとしても株式会社資産と個人の財産は別扱いだから請求するのは難しい。というかムリ。

社長室に飾られている綺麗な石ころが会社財産だったら話は別なんだけど。

だから立替制度で100万くらいの金を貰ってそれで終わり。

残業代ボーナス退職金もナシ。きれいさっぱり消えてなくなる。

はじめに玉砕覚悟と書いたように、何年も前から倒産するのは予想されていたこと。

発売当初のシェア争いに負けて特別すごい機能があるわけでもない商品を売り続けて一発逆転てことは通常ありえない。

だからといって全く違うものを作る余裕もない。最初の段階で金を使いすぎた。

先生方に言わせれば、「なぜこの会社が存続しているのか理解できない」という。

なぜ債務超過なのに会社差し押さえに来ないのか、なぜ黒服のひとりも来ないのか。

それは今でも謎のまま。誰にも分からない。

なんだか傷口が広がっただけだったように見えるけど、実際には色々とサービス内容の変更や価格改定をやれたし、普通会社ならできないレベルのヤケクソみたいな戦略も試すことができたし、そしてなにより倒産を見ることができたのはひとつの人生経験だと思う。

自分達の取った戦略はまあまあ成功したと思っている。

近年ほとんど売れてなかったものが、最後の1年で顧客数が3割増しくらいになった。

細かく言うと5割増しと2割の解約くらいだ。

急成長といってもいい。

ただし値段も下げていたのでそれ相応の売り上げにはなっている。

売れはじめてからサポートや経理的な事務処理が追いつかなくなるという事態に陥った。

売れないことを前提とした人員配置にしてしまっていたからどうしても人員不足になってしまう。

手間のかかるものを低価格で販売するというところに無理があったのは否めない。

おかげで信用をなくして発注キャンセルや解約となったものも出てきた。

これが上記の2割の解約の大半だと思う。

でも、社員はみんなそれなりに納得しているんだと思う。だから誰も泣かない。

こんな話をしている間にも資料請求のメールや発注書が届いている。

もったいないな、とか言いながら順番に電話のモジュラージャックを抜いてまわって、顧客に対して事業停止のお知らせを送り終わったら、当たり前のように淡々有給消化して解散するんだ。

そして最後の日は、山一證券のときのように笑顔記念撮影とかしちゃってのんきに分かれるんだと思う。

最後に経営再建のプロみたいな人を雇ったときに言われた言葉がある。

「この会社には、前向きな気持ちが足りない。気迫が足りない。そしてなによりこの経営危機に対する緊張感が足りない。」

そうだな、と思う。

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