2009-06-02

AMNと腰抜けブロガー

アジャイルメディアネットワーク,略してAMNが,ブロガーモニターとして企業から対価を受け取る「AMNソーシャルレビュー」というサービスを開始した。以下,C-NETのニュース記事から引用

アジャイルメディアネットワーク(AMN)は5月26日ブロガー商品サービスの体験記事を書いてもらう広告商品「AMNソーシャルレビュー」と「AMNモニターパッケージ」を販売開始した。

AMNソーシャルレビューは,同社のパートナーブロガー81名にモニターを依頼するもの。ある程度影響力のあるブロガーに限定してサンプルを提供し,各ブロガーの読者向けにプレゼント企画も実施するという。価格モニター数ごとに異なり,モニター5人で103万円から。

一方のAMNモニターパッケージは,パートナーブロガーに加え,AMN登録ブロガー約1000名からもモニター公募する。価格モニター商品を返却するか,しないかで異なる。返却ありの場合はモニター10人で63万円から,返却なしの場合はモニター10人で56万円からとなっている。

いずれもブロガーに1記事以上の執筆を参加条件として提示するが,広告主に対しては掲載記事数を保証しない。ブロガーモニター製品に満足しなければ返却して,モニターを降りることもできるため,記事執筆を強制されることはないという。

http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20393906,00.htm

元のリリースはここ

http://agilemedia.jp/pressrelease/post_121.html

つまりだ,アルファブロガー(笑)による提灯記事をセットにして企業に売りつけようと言うわけだ。100万円単位で。プレゼント企画やらモニター公募やらで本質が見えにくくなっているが,それら付属物はどうでもいい。価格についても云々するつもりはない。問題なのはブロガーをこうした商売の道具に使う,AMNという会社のその姿勢だ。

こいつら(もちろんAMNの連中のことだ)のおかげで,ブログはどんどん胡散臭いものになりつつある。今回のサービスも,ブロガー組織化して結局やりたいことはブログの地位低下かよ,と心底うんざりさせられる。何がカンバセーショナルマーケティングだ。拝金主義適当なラベルを貼り付けて,ブログヤラセの巣窟にすんじゃねえよ。社長を挿げ替えたり,impressの元社員を招聘してるらしいが,事業の質はどんどん低俗化している。

もちろんAMN側もこうした批判があることは予測していると見えて,リリースには詳細は語っていない。C-NETの取材記事にはこうある。「ブロガーモニター製品に満足しなければ返却して,モニターを降りることもできるため,記事執筆を強制されることはないという」。いちいち時間かけて製品を使って,返却の手間をかけて,それでいて報酬は受け取らないなどという,そんなことが果たして期待できるのか。辞退可能であることを隠れ蓑にしているだけで,本質はなんら変わらないのではないか。

そして驚くべきなのは,このリリースに対するアルファブロガー共の反応の薄さ。特にAMNトップページの右側にズラリと雁首並べるAMNアルファブロガーが,このサービスについて異論を唱えようともせず,ノーコメントを貫いている。いつもはテレビ局ヤラセがどうの,官庁の不正がどうの,利益享受がどうのと難癖つけてエントリに仕立て上げる割に,自分達が当事者になったら途端にこれだ。81名のパートナーブロガーだかなんだか知らんが,揃いも揃って腰抜けどもだな。AMNの犬に成り下がったということか。

今の所反応しているのは,一部のはてなーだけだ。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20393906,00.htm

この増田がシカトされ,AMNの暴走が今後も続くようなら,いよいよ日本ブログは終わったも同然だろう。1つ言えるのは,このまま沈黙がつづく限り,AMNのトップページに並ぶブログは,企業からの依頼でこうしたエントリの作成に協力している提灯記事ブロガーリンク集として,衆人の目にさらされ続けるということだ。

  • AMNと腰抜けブロガー http://anond.hatelabo.jp/20090602025554 腰抜けブロガーか。そうかもしれないね。「アルファブロガー」という言葉が、AMNの徳力さんと その取り巻きのものになって何年経つ...

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