2009-04-30

セーフティネットとしての「懲戒場」

民法読んでて「親は子を懲戒し、また裁判所の許可を得てこれを懲戒場に入れることができる。この期間は裁判所が定める」みたいな内容の条文があったんですよ。

「え、懲戒場ってなにそれ、叱って押入れに閉じ込めちゃう感じでどっか入れる施設とかあんの、でもそんなの聞いたことない」と思って検索したら、いまは民法の定めるところの「懲戒場」にあたるものは存在していないらしいです。昔はいちおうは存在していたらしいです。

でも、なんか、親が子供虐待する事件とか見てたら、懲戒場とかそういうのがあってもいいのかも、とか思ったりしました。

なまじ親が子供懲戒する、っていうか、つまり叱ってげんこつ食らわせたり食事抜きにしたり外に締め出したりとか、そういうことをやっていいっていう慣習みたいなものがありますけど、それと虐待の線引きってはっきりあるわけじゃないじゃないですか

まあ常識ってものがありますけど、でもその常識が通用しない世の中ですし。

教師が子供しばいたら体罰、みたいに、学校先生に対してはむしろやや過剰なくらいに体罰が言われたりしますけど、親のほうはそこらへんゆるいような気がします。

へんに親が子供に対して有形力の行使をなす余地を社会的慣習として残しておくから、そこを逸脱して虐待気味のことをやっちゃう親も出てくるわけで、もっとそこらへんを法的に厳しく禁止した上で、懲戒場のような公的な機関を用意する、というのもひとつの方法なんじゃないかと思ったりします。

親だから子供を叩いていい、食事を抜いていい、家から締め出していい、押入れに閉じ込めていい、罵倒していい、などというようなことは、それがはたして当然のようにして肯定されるものかは疑わしいものです。

最低限の「しつけ」の範囲内であれば懲戒権の行使として認めるとしても、その範囲が曖昧不明確ですし、その範囲を明確に定めた上で、それを越える懲戒権の逸脱的行為についてはもっと厳しく取り締まればいいんじゃないかと思います。で、自分じゃ「しつけ」がうまくできない、どうしたらいいのか分らない、って親は、任意で懲戒場に子供を預けて「しつけ」をしてもらう、と。

懲戒場」というと、名前はいかついですけれども、要は「しつけ」の場です。

子供しつけ専門家というものを用意して、親が教えられないようなことは専門家が適切に子供に教える、という福祉的な施設を作ればいいわけです。

すべての親が適切な「しつけ」をできるものではありませんし、またそのような親の元に生まれてきた子供は親の不適切な「しつけ」のもとで育つほかありません。

公的な場として、教育において親ができないような教育専門家が施す「小中学校」という場が設けられているのと同様に、「しつけ」においても専門家が適切な「しつけ」を施す最低限の場を用意するということは、「しつけ」ができない親にとっても、そんな親のもとに生まれた子供にとってもかえって福祉的でいいんじゃないかと思います。

最低限の「駆け込み寺」的存在として、懲戒場を設けてもいいんじゃないかと、この条文を読んで思いました。いかがでしょう。

  • 親と子供の相性もあるし、親のしつけが子供にとって逆効果になる事はよくある話だしね。 子供が手に負えなくなった時に親が助けを求める場所があるのはいいと思う。 でもそれって児...

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