2009-04-29

社会システム矛盾(あるいは、ある保険マンの想いの嘘くささ)

科学や仕組み(社会システム)はどれだけ人を救えるのだろうか。

 何ヶ月か前、私は心療内科へ通ったことがあった。通ったといっても必要に迫られて2度ほど行っただけなのだが、そこで、頼み込んで診断書を書いてもらった。欝とかそんな内容の診断書だったと思う。一定期間会社休職するために必要だったわけだけれど、現在はもう回復しているし、たいした問題じゃないと思っていた。のだけれど、これが意外と問題だったのだ。それを知ったのは、つい最近の話。

 それは、つい最近、話がためになるからと友達から紹介された保険屋Yさんの話をじっくりと聞かされた4時間後のことだ。さて、いよいよ契約どうしましょう、という段になってYさんは言った。契約云々はおいといて、とりあえず審査が必要なんです。なにはともあれ、とにかく審査をしましょう。必死にすすめてくる。これは契約する気がないのが半ば見えかけていた私をつなぎとめようとしているな、とわかったので、どうしようかなぁと悩みかけたのだが、そのときだ。審査が通らない人って結構いるんですよ、意外と心療内科通院暦があったりね、とにこやかにいうY さんである。私、そのまさかです。告げると、Yさんのせわしなく動く口が半開きで止まった。あー・・・あ、あ。そうなんですか。それはまずいなぁ・・・。

 いわく説明はこうだった。つまり、欝になったことのある人の死亡率は異常に高い。それは自死率が高いからだ。だから、通院暦のある人は、特に審査の厳しいというYさんの所の保険には入れないと考えたほうがよい、あるいはうまくしても条件付になり掛け金が高くなるとの事。欝かどうかは薬の種類でわかるし、通院暦も処方暦も健康保険証に残っている。もちろん、嘘はつけない。

 というわけで、私はどうやら保険に入れない可能性が高い。今回は、無事保険に入らずにすんだ万歳なのだが、いつか入りたくなっても入れないかもしれないということだ。後先考えず、極端な話“気軽に”診断書を書いてもらったわけだけど、思わぬところで弊害。私だけでなく、何百万といるであろう、診療内科通院者(あるいは経験者)も同様、ということだ。

 これはなに?生きずらい人はどこまでも生きずらい世の中だってこと?

 そうね、極論ではある。でも、一瞬そう思った自分がいる。

  Yさんは言うのだ。せっかく縁があって会ったお客さんなのだから、そのひとりひとりに幸せな暮らしをおくってほしいんです。いざというときの心配をしなくてすむように、最適な保険に入ってほしい、幸せ人生サポートをしたいのです。そこから始まった話の顛末。幸せな暮らしをみんなに送ってほしい、そのための社会システムの、矛盾じゃあないでしょうか。

 一度弱者に転落した人が、再び元の道に戻るための社会システムはあるのか?強者はひたすら強く強なるためのサポートを受けられる、一方、弱者は・・・?なんて、ふと感じてしまったわけです。

  • 社会にさんざん甘えてまだ足りないってのか? あのな、公的扶助ってのは当たり前にもらえるもんじゃない 本来なら自分の力で自分のことはどうにかすべきなんだけど? 多くの国民の...

  • ポイントは3点。 ・私も鬱やってたので共感は出来る。社会的に元の道へ戻るサポートが提供される(十分ではないが)のは、もっとひどい弱者にならないと内。下がるしかない恐怖の真空...

  • 儲けにならないことはしないのが資本主義です。 現実、こういう世の中が自分としても厭です。 人間、助け合って生きる世の中のほうがまだましだと思います。 が、そういうと助けを...

  • どんな経緯があったのかわからないが、元増田の脇が甘いだけではないだろうか。 そこで、頼み込んで診断書を書いてもらった。欝とかそんな内容の診断書だったと思う。 医師の...

    • お前、話かみ合ってねえよ。元増田のことなんてどうでもいいんだよ。そういう鬱の人間がはじき出される社会システムがどうかって話をしてんだよ、ここでは。

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