2008-12-23

才能がない、ということに気がつくということ。

 今って、クリエイティブ仕事に就こう!という風潮が強くて、誰でも学校とかに行けば「そうなれる」かのような幻想が満ちあふれている。恥ずかしながら、自分もそうだった。だから、以下に述べるようなことは自己責任の産物でもある。

 押井守さんの『凡人として生きるということ』という新書で、「まず最初は自分には何の可能性もない人間なのだと実感すること」というような記述があったけど、この文には現実認識という意味でも、人生における処世術、という面でも、賛成する。

 別に絵が描けなくたって、文章が書けなくたって、それが誰にも認められなくたって、死ぬ訳じゃあないけど、それを自分の心のよすがにしてきた人間には、自分にはその分野で活躍していくような技能も才覚(つまりは才能)がない、と気がつくことはとてつもないショックを伴う。

 自尊心を保つために「これは趣味」なんだから、という風に納得してみせたような顔をするのも、何か自分とか、その他のものに負けたようで悔しいよね。芸術家志望者やその卵に自殺が多いのもそのせいなのかな。

 いわゆる出版文筆、アニメーション制作、とかその辺りのクリエイティブ仕事をしている人を自分は心底羨ましいと思うけど、自分にとって、それはショーウィンドウの中の高価な服のようなもので、絶対に手に入らないんだよね。こんな心境をくすぶったままの自分は、時にもう死んだ方がいいかもなとか思ってしまう。死にたいっつーか消えたい。人生思い入れがあんまりない。情熱も。多分、それが人生自分のやりたかったこと、なのに、年齢とか、生活とか、いろいろな事であきらめざるを得ないから。なんというか、「これ以上悪くならないように」生きてるだけ。それでも、人生は続いていく。本当に、人生って、クソだよな。

  • 何を目指しているのかは知らんが、 別に働きながらでも続ければいいんじゃない、とか思うのだけど。 クリエイティブってことについて言えば、 iPhone や i-mode とかヒット商品を考えて...

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      • このなんともいえない中途半端感にもやもやしてるのかも。 自分のやっている仕事に夢や誇りを見いだせないとしたら、それは不幸かもしれんね。 「安定」と割り切れればいいのだ...

        • 自分のやっている仕事に夢や誇りを見いだせないとしたら、それは不幸かもしれんね。 「安定」と割り切れればいいのだろうけど、徹底的に割り切れる人間って実はそれほど多くない...

          • 職種はIT系ですが入社してから半年ぐらいこんな感じでプログラミングさせられるようなことも、仕事の面白さを教えられるようなことも特になく。甘えだといえばそこまでなんですが...

  • いやいや、押井守は「身の程をわきまえろ」って意味で言ってるんじゃないぞ。 自分に何があって何がないかを見極めてない部分を補える人を探してそいつと協力しろって言ってるんだ...

  • ビル・ゲイツも「人生は不平等で、それに慣れなきゃいけない」みたいなこと言ってたね。 外見てのは文字通りパッと見れば一目瞭然で、「容姿に恵まれない自分はモテモテのイケメン...

  • 人生が糞とかいうのは総計すぎると思いますよ。 人生は自由なんだと言うことをもっと考えるべき。 そもそもこのエントリー自体、才能がない人間が才能がある人間に挑むときの入り口...

  • ショーウィンドウの中の服でなくて、 ジャスコに並ぶような服を目指せばいいんじゃないの? 飾られる服じゃなくて、誰かが着てくれる服。

  • 消費者の奴隷になってもかまわん、いやなりたい!と願う者だけが、くりえいてぃぶな職業に就くべきだと実感する。自分の作品を創るってんなら、趣味と芸術世界で頑張れ。その勘違い...

  • 人は無い物ねだりをするだけなので、きっとクリエイティブな仕事についていたら、違う自分に憧れると思う。 クリエイティブな仕事の末席についている自分にとっての憧れは公務員だ...

  • 元増田です。 多分この日記を書いたのが去年12月半ばぐらいで、そのまましばらく放置していたらなんとアメーバニュースで取り上げられてたし、ブクマが190超えなんて自分...

  • <h3>才能がない、ということに気がつくということ。</h3> 随分前の記事のトラバだけど、これに対するブックマが id:progkenji 「みんな所詮同じ人間で、多少の差はあるが劇的な差...

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