2008-12-21

友人とぼく

彼と出会ったのは中学生の時。共通の友人の紹介だった。

バスケットボールという共通の趣味もあり彼とはすんなり打ち解けた。

どちらもあんまり上手ではなかったけど、ただただ楽しかった。

特に示し合わせはしなかったけど同じ高校に入った。

願書提出する時にたまたま居合わせて「あれ、おまえも?」みたいな感じだった。

うれしかった。

幸い二人とも合格して同じ高校に入学した。

部活は二人してバスケ部に入った。

彼は3年間通い通し、ぼくは3ヶ月で辞めた。

運動神経がなくてついていけなかったからだ。後は先輩とかとなんか打ち解けられなかった。

今思えば、今後の展開の元が此処にあった。

クラスは3年通して隣のクラス。特に示し合わせがなく同じ理系の道を進んだ。

共通の友人もいたが、お互い別々のコミュニティに入り、少し疎遠になった。

でも通学とかは一緒だったので特に寂しくなかった。

大学。学科は別だったけど同じ大学を目指した。

でも、過程は違う。

彼は元からその大学を選び、私は推薦で別の大学に落ち、失意の中担任に言われるがままに選んだ。

彼は合格、ぼくは補欠合格だった。

同じ年、同じ大学に入学した。

学科が違うので授業とかでも殆ど一緒になれなかった。

でも、通学は一緒だった。

彼はバスケ部に入り、その後ほかの部活に移った。

ぼくは文化系部活学園祭の運営に回った。

高校の頃より疎遠になったけど、それでも一緒にいることは多かった。

バスケもたまに一緒にやった。

一時期一緒のアルバイトをした。彼はそこの創業メンバーで私は途中から参加した。

仕事に関しては特に違いはない。社員の指示で動くというもの。

ちょっと違ったのは彼はマネージャーっぽい感じでぼくはヒラだったこと。

そして、彼は精力的にそこで仕事をし、ぼくは空いた時間にそこで仕事をしていたこと。

これはスタイルの違い。仕方ない。

特に不満はなかったけど1年くらいでぼくはそこを辞め別の場所でアルバイトした。

他意はなかった…と思いたいけど今となってはわからない。

此処でぼくは非コミュをこじらせ鬱に近い状態になる。

2年の頃からだんだん大学に行かなくなった。行っても図書館に閉じこもる日々。

成績はどんどん落ち、挙げ句の果てに留年した。

彼は4年で卒業し、小さな会社就職した。

ぼくは2度目の留年が決まった時、大学を辞めた。

彼は入った会社で持ち前の勤勉さと努力でどんどん信頼を得ていった。

ぼくはハロワで何とか滑り込んだ会社契約社員として入った。

大学で学んだ分野が少し特殊な上、求人も殆どなかったのでそこで仕事をできたのは幸運だった。

しかし、半年して会社に行けなくなった。正確には通勤途中のバスから降りられなくなった。

理由はわからない。降りるバス停付近で頭が真っ白になってパニック状態になり降りられなくなったのだ。

初めて精神科に通い、鬱っぽいのが鬱病になった。

それから3ヶ月くらいして、ぼくは会社をクビになった。

彼は二度目のボーナスを受け取っていた。

彼が勤続数年目を数えていた時、ぼくは両手で数えるくらいの会社をクビになった。

正社員になったこともあるけど殆どは派遣アルバイトだった。

理由は同じ。あるときを境に会社に行けなくなってしまう。

2つめの病院で「適応障害」という診断を貰った。適応に関する障害。社会適応できない…よく言ったものだ。

大学の頃からあったっぽいけど彼には恋愛経験があった。彼女がいた。出会いアルバイトだったらしい。

対してぼくにはれ恋愛経験がない。今でも童貞である。

去年、彼が彼女を紹介してきた。何でかよくわからなかったけど、ある日いきなり「そっち行く」電話かかってきて、車でやってきたと思ったら助手席に彼女がいて訳もわからないまま車に乗せられてそのまま3人でチャーハンを食べた。

二人はつきあって数年していたのに何で今更…という疑問はあった。でもすぐにそれは解消する。

それから程なくして彼と彼女結婚したのだ。

自分のことのように嬉しく、おめでとう、と素直に言った。

ぼくは年その秋、派遣会社をクビになり人生絶望して自殺を図った。未遂だった。

自殺方法がちょっとアレだったので記憶が全くなく連絡したかどうかも記憶にないのだけど、そのとき一人暮らしだったぼくの元へ彼は車で飛んできて色々大変な思いをさせたらしい。

本当に迷惑をかけた…と今でも罪悪感を感じる。

そして今年。

彼は同じ会社で働き続け、上司の信頼厚く先輩同僚にも恵まれている。

ぼくは今年4回仕事を変えた。通算何十社目だろう。覚えていない。履歴書にも全部書いていないし。

そろそろ職歴や年齢の問題で就職も厳しきなってきた。何十社も落とされてやっとアルバイトで、なんて事もあった。でもそこは一日で行けなくなってしまった。

社会適応できない病は自殺未遂後酷くなった。昔は通勤はできたのに今は外に出ることすらできなくなり、部屋に閉じこもってうずくまるだけ。

周囲からは休養も薦められたけど、金銭的な事もありすぐに働かざるえない状況だった。

今年は本当に金銭的に苦しかった。ゲームソフトゲーム機から自殺する時一緒に連れて行こうとすら思った車も手放した。

車が使えない兄ちゃんに引き取られていくのを見て血の涙が出るほどに悔しく思った。

この冬、私は30社近い企業からお祈りの言葉を貰った後、運良く派遣会社に引っかかり就職した。ただし、業種は望んだものではなく「誰にでもできる」「簡単」なもの。

色々と思うことはあるけどこのご時世、仕事に就けただけでもありがたく思う。

とは言え、就業後一週間でまだ一日しか行っていない。風邪を引いたのもあるけど、適応できない病が発動し家から出られないのもあった。

穿った見方をすれば風邪隠れ蓑仕事に行けないでいる、と言うのだろうか。

派遣元派遣先ともに風邪である欠勤ということで理解は得ており、今度の週明けからの復帰で良いと言われている。

社会適応できない病のことはどちらにも言っていない。言えるわけがない。言ったところでいつぞやの派遣会社の若い支店長のように「精神障害者は使えないんだよ!」と言われるのがオチだ。

唯一真実を知る友人からは「そんな事言うのはそのバカだけだ」とお説教を受けているけど、会社の人事とかそういうの人はどこの誰も同じことを言うと思っている。わざわざリスクを背負った人間雇用するわけがないし、援護するわけがない。

精神障害者ゴミのように捨てられる。多分それがこの時代、この国の真実

休職とかあるじゃんって?

そんなのは大学卒業したり、スキルのある優秀な人間にだけ。私のような大学中退スキル中途半端人間には出るわけがない。

精神病んでいてもそれを隠して働かないといけない。そうしないとぼくは二度目の死を選ばなくちゃいけないから。

話は彼のことに戻る。

数日前、彼から衝撃的な話を受けた。

なんと「彼二世」ができたらしい。

そりゃ驚いたし、喜んだ。大切な友人に子供ができたのだから。

だけど…

ここからがこの文章書き殴って言いたかったこと。

私にとって彼は遠くの存在になってしまったと感じて仕方ない。比べてしまう。コンプレックスを感じる。

スタートラインは同じだった。同じ中学、同じ高校、同じ大学。路は微妙に違うけど、共に進んだ。

だけど!

いま!

こんなに状況は違う!

方や大学卒業新卒で入社し順風満帆の仕事生活。プライベートでも恋人がいてそのまま結婚子供ができた。

一方ぼくは精神病んで大学中退し、職を転々とし、今も仕事は安定してできない。

恋人?いないし童貞だよ!

収入の差とか考えたくもない。まさに勝ち組負け組

どうしてこうなってしまったのだろう。

どうしてこんなに差ができてしまったのだろう。

彼は努力家であり、ぼくは怠け者だった。多分それが答えなんだろう。

世間もそう云うと思う。そして彼を称え、ぼくを笑い罵るだろう。

実家の玄関にバスケットボールが転がっている。ドンキで買ったちょっと良いモルテンボール

いつもぼくの車に入っていたボール。最後に使ったのは数年前、6月にしてはとんでもなく暑い日に彼とクーラーが壊れたこの車で「暑い暑い」と笑いながら隣街のコートに行って小一時間1on1やったきりだと思う。

また、彼と、バスケがしたい。

  • あなたが、誰かにうらやまれるとすれば、何だと思いますか?

  • マジレスすると、彼とバスケをすべきだと思う。 体を動かそう。 あとこれは単に事実の指摘で増田を非難する気持ちなんて露ほども無いことを先に書いておくが、 彼もまた心の中に地獄...

  • 障害者年金や生活保護を受けてじっくり治療するのをお勧め。 無理して仕事しようとすると悪化する一方。

  • http://anond.hatelabo.jp/20081221022845 「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」

  • 増田は「彼」を、「自分がバスケ部を止めなくて、少し努力をしていたらなれた"自分の影"」のように見ているように思う。 自分のなりたかった人物像を「彼」に重ねている。 でも増田...

  • 追記や補足など こんな感情の赴くままに書き殴ったモノにご意見や暖かいお言葉頂き恐縮しております。 ありがとうございます。 比較することが愚かなのは頭では理解しています。し...

    • オレは無責任な人間なので適当に聞き流してほしい。 苦しいとき、打ちのめされているとき、 その衝撃で体が動かなくなる。 重要なのは、そのとき動くことだ。 なにもダメージなど受...

  • http://anond.hatelabo.jp/20081221023529 を書いた増田です。 まず、あなたに伝えたいことは、昨日よりも楽しく今日を過ごして欲しいと私は願っているということです。 そして私も「今は休んで...

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